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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

NARUTOがモンゴルにやって来る!?しかも…

 モンゴルでも日本の漫画・アニメの人気は出ているようで、昨日こんなニュースが出てきました。

 

english.news.mn

 

 今のところ他のメディア等からの報道がないので、これが決定した事実かどうかは分かりません。ただ事実とすれば凄いことです。ナルトですよ!しかも、

 

合法的に来るんですよ!

 

 この記事によれば、ナルトは以前モンゴルでテレビ放送されていて、子どもたちにも人気だったのですが、公式の許可を得ていなかったそうで、知的財産法の侵害により放送が中止されたとのこと。ナルトだけにお忍びで放送されていたんですね

 で、実際どの程度の人気かというと、例えばモンゴル語Wikipediaにナルトの項目があります。

 また、googleで検索をかけたところ、予測変換が出るわ出るわ。

 

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 上から、「ナルト 第3期*1」「ナルト 疾風伝 - 19」「ナルト マンガ」「ナルト 第1期」「ナルト 疾風伝 - 331」「ナルト 疾風伝 - 280」「ナルト 疾風伝 - 321」「ナルト 疾風伝 - マンガ」「ナルト 疾風伝 - 334」となっています。それだけ検索する人がいるんでしょうね。しかも、検索バーに出てくる語句にはモンゴル語独自の文字が混ざっているので、検索している人はモンゴル語のできる人に限られます。キリル文字だからと言って、ロシア語や他の言語で検索した結果は反映されていないはずです。

 とはいえ、いくら人気でも勝手に放送するなどけしからん!とお思いの方はいらっしゃることでしょうし、どう考えても誉められた話じゃありません。ただ、放送を中止するだけ成長したというのが私の率直な感想です。

 1990年代に入り、モンゴルでも日本のドラマが放送されるようになりました。ただ、どう考えても日本のドラマなのに、なぜか繁体字の字幕が付いていたりと、どこで仕入れたんだと言いたくなるものが放送されるのが当たり前でした。公式の許可を得たとはとても思えないものが横行していたのです。

 あげく、テレビで外国映画を見ていたら「複製禁止」のテロップが流れてきたことなど一度や二度ではないですし、かつての知的財産権への理解というのは(お察しください)という感じでした。そんな時代を経験した身からすれば、モンゴルも変わったなぁという実感の方が先立つのです。

 それはさておき、個人的に気になるのは吹き替えをどうするかです。以前は外国語のできる人材が少なかったのか、おカネがなかったのか、吹き替えを男女1人ずつだけで担当したり、さらには1人で全て担当したりというのが普通でした。東京ラブストーリー」の全セリフをおっさん1人が喋っていたのは伝説と化しています。流石に今は時代が変わったでしょうし、うずまきナルトの声がおっさん臭いということはない…と思いたいですが、どうですかね。

 モンゴルでのアニメ・マンガ人気については以前のエントリでも書いたので繰り返しませんが、いずれモンゴルでも日本人というだけでアニメ・マンガの知識があると期待される時代が来るかもしれません。いや、もう来ているかも知れません。

 そして、ここまでいろいろ書いていながら、実は私、ナルトを読んだこともアニメで見たこともありません。これからの時代に備えて、予習しないといけない気もしてきました。

*1:直訳すれば「ナルト 第3映画」となるのですが、それでは意味が通りません。むしろ、テレビ放送の第3シリーズと推測されます。モンゴルではシリーズもののドラマ等のテレビ放送も「映画」と呼ばれることがあります