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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2018.10.14.JFL2nd-S第10節FC今治対コバルトーレ女川観戦記(後)

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 初めてやって来たFC今治のホーム、ありがとうサービス.夢スタジアム。もうすぐJFLセカンドステージ第10節、FC今治コバルトーレ女川の試合開始です。

 

 

 ちなみに、 試合前のスタジアム付近の様子はこちらをご覧ください。

 

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 本日のスターティングイレブン。プリンタ大活躍という感じですが、下手に電光掲示板を設置されると眺望が妨げられるので、この方が良いといえば良い気がします。ちなみに時計もアナログ式です。

 ところで、この日は試合の前にスポンサーへのユニホームの贈呈式が行われるのですが、アナウンスによればオーナーが直々に贈呈するとのこと。そう、あの岡ちゃんです!

 

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 日本サッカーのレジェンドがこんな至近距離にいると思うと、やはり感動です。こんなチームと同じリーグにいたんだよなぁ、とよく分からない感想も生まれたりします。

 

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 ピッチの真ん中にはビッグフラッグが置かれているのですが、よくよく見るとチームロゴでもJFLのフラッグでもなく、今治タオルのロゴでした。フラッグの生地がタオル地なのかどうかは分かりません。

 

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 メインスタンドの向かいには、広告の横断幕が至る所に掲げられていますが、中にはバリィさんの姿も。スタジアムに来ることもあるんでしょうか。

 

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 試合開始が近づき、FIFAのフラッグが入ってきました。高知ユナイテッドSCのホームゲームなら、ここでFIFAのアンセムが流れるところですが、ここではLDH系っぽい何かが流れています。具体的に何なのかは知らないのでわかりません。

 

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 本日の対戦相手はコバルトーレ女川。以前JFL観戦に行った時も登場しました。

 

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 JFL初年度の女川ですが、セカンドステージに入って勝ち点ゼロの大苦戦。通算順位でも最下位と、降格の危機にあります。

 

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 一方のFC今治J3ライセンスを獲得。J3参加が可能となる通算順位4位を目指します。

 

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 FC今治の応援席。メインスタンドを含め、若い人たちだけではなく、割と年配の人の姿も見えます。そして軍旗を掲げるのは甲冑姿に身を固めたサポーター。真夏でもこの姿だったんでしょうか、と妙な心配をします。いや、夏を乗り切ったからここにいるわけですが。

 さて、先程少し触れましたが、実はこの2チーム、J3参加と地域リーグへの降格を巡って、ちょっと微妙な立場にあります。ただし2018年度の規定が見当たらないので、2017年度のものが適用されるとの前提で見てみましょう。

 まず、先程も触れた通り、FC今治J3ライセンスを取っているので、JFLの通算順位で4位以内に入れば、J3に参加できます(厳密には「百年構想クラブのうち上位2クラブ」という条件もあります)。

 

www.jleague.jp

 

 今季のJFLは2ステージ制で、ファーストステージかセカンドステージのどちらかで優勝すれば、自動的に2位以内が確定します。ただし前者はHONDA FCが優勝、後者も同じく独走状態で、こちらは現実的ではありません。一方の通算順位も、マッチデープログラムによれば試合開始前で7位なのですが、4位のソニー仙台とは勝ち点3差、得失点では1つ上回っています。上位との対決が残っているのが気がかりですが、全くもって諦める必要はありません。

 一方のコバルトーレ女川は、試合開始前で通算最下位。JFL16チーム中2チームが降格圏で、圏外14位のテゲバジのどこに濁点が来るのかいつも迷うテゲバジャーロ宮崎との勝ち点差は9と、非常に苦しい状況です。

 ただ、J3参加チームが出ると、その分降格チームが減ることになります。現状では通算2位のヴァンラーレ八戸J3参加が有力で、実現すれば降格チームは1つとなり、15位でも残留できることになります。試合開始前時点で15位の流経大ドラゴンズ竜ケ崎との勝ち点差は2、ホームでの直接対決も残っています。

 ところが、FC今治J3参加となると、降格チームはゼロとなり、最下位での残留も可能となります。うがった見方をすれば、この試合も含め、FC今治が勝ち続けて4位に入ってくれた方が、女川にとって助かる面はあるのです。

 とはいえ、現状FC今治は4位以内に入っていません。残留のために一番確実なのは、やはり順位を上げることですし、その可能性は残っています。セカンドステージでまだ勝ち点を挙げられていない女川ですが、希望を捨てるのはまだ早いのです。

 そんな両チームの願いをかけて、13時、コバルトーレ女川のボールでキックオフとなりました(なお、ここから得点と反則以外の時間は手元計時です。公式のものではないのでご注意ください)。

 

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 この試合、先制したのはFC今治。早くも前半5分に有馬が左からゴールを決めます。

 

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 その後は互いに攻め合う展開でしたが、19分にFC今治の三田がゴール右からゆっくりシュートを決めて、2点目を奪取。

 

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 この後も両チームの攻め合いが続きますが、前半は2-0で終了。FC今治にとっては理想的な展開です。

 このあと、ハーフタイムには地元の子どもたちによるチアダンスの披露がありました。高知ユナイテッドSCのハーフタイムでもあるのですが、人数と演技の規模が違う。JFLに入ったらここまでしないといけないのか、ってわけでもないとは思うのですが、カテゴリーの違いを妙に実感することとなりました。

 

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 後半はFC今治のキックオフ。さらに追加点を狙い、得失点差での優位を固めたいところです。一方、この日も苦戦を強いられている女川ですが、このままでは終われません。

 

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 その後半も序盤はFC今治ペース。49分(後半4分)には左から玉城が押し込んで、3点目を叩き出します。

 

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 さらにFC今治は61分(後半16分)に有馬へのファウルでPKを獲得。ところが、ここでのシュートを女川GK緑川がはじき、その後ボールの奪い合いになりましたが、結局得点はなりません。

 

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 それでも今治は直後の69分(後半24分)に桑島が4点目を奪い、リードをさらに拡げました。

 しかし、ここから女川の反撃が始まります。

 

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 74分(後半29分)には鵜飼のループシュートが決まり、まずは1点。それまで今治の押せ押せムードだったスタンドが、一瞬にして静まり返ります。

 

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 さらに83分(後半38分)、今度は女川がPKを獲得。これを井上が落ち着いて決め、さらに1点を返します。

 

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 思わぬ反撃を食らった今治は、その後女川ゴールを脅かしますが、GK緑川の好反応もあってダメ押し点は奪えず。結局4-2でフルタイムとなりました。

 

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 最終スコアだけを見れば今治の快勝ですが、女川も意地を見せました。結果はとにかく、当たり負けしないタフなチームという印象は残りました(もっとも、今は結果こそが欲しいのでしょうが)。できることなら、もう少しこのカテゴリーで見ていたいチームではあります。

 一方のFC今治は勝ち点3を得て通算6位に浮上。新たに通算4位となったFC大阪とは勝ち点3差、しかし得失点差は9つも上回っています。今後に控える通算3位の東京武蔵野シティC、同5位のMIO琵琶湖滋賀との直接対決を乗り切り、J3参加圏内へ突入したいところです。

 

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 この日のヒーローインタビューは、2点目を決めた三田。これからの正念場に向けて、決意を新たにしていました。

 

 というわけで、初めて行ったありがとうサービス.夢スタジアム。率直なところ、J1やJ2のスタジアムに慣れた人からすれば、それは小さなスタジアムに見えることでしょう。実際、収容規模も小さければトイレもプレハブだったり、このままでJ2以上に対応できないことは明らかです。

 とはいえ、地域リーガーからすれば、ここはまぎれもなく夢の専スタです。そんなスタジアムを、Jリーグのような上からの目線ではなく、下からの目線で見る機会を得たことは、自分の見る目を養う上で良かったと思っています。