3日目、いよいよ国際シンポジウムの本番です。いつもにも増して準備が間に合ってない感が強いのですが、ここまで来たらやるしかありません。
まずは朝からしっかり腹ごしらえ。今回泊まったホテルはモンゴル土着の食べ物があるのが特徴です。
左側にあるのは「タラグ」。言ってしまえばヨーグルトです。
固形乳製品のアーロール。チーズ扱いされることもありますが、厳密にはカード(凝乳)と言ってチーズとは区別されます。簡単に言えば、乳を蒸留させた後に残った粕を天日などで固めたもの……って、前も書いたっけ。ただしこちらは工業製品として作られたもののようで、細かく砕いた上に砂糖が加えられ、柔らかく食べやすくなっています。
一方、パックに入ったタラグもあります。こうなるとタラグというよりヨーグルトという気もしますが、どうなんでしょうね。ちなみに「ヨーグルト」という言葉自体はロシア語経由で入っているので、通じる人は少なくないはずです。
さてさて、朝食をしっかり食べて会場にやってきました。モンゴル国立大学図書館です。完成間もないモダンなガラス張りの建物です。デザイン自体は良いと思うのですが、開架部分までガラス張りになっていないかとの不安はあります(今回は観に行きませんが)。
正面に国際会合の案内が大きく出ていたのですが、よく見たら私が出席するものではありませんでした。
ただし関心を惹かれる内容です。来年も開催されるのでしょうか。オファーお待ちしております。
正面ゲートから入ると、モンゴル国立大学のグッズショップがあります。一瞬心惹かれたのですが、今回は大学に対する用事で来ているわけでもないので、パスすることにしました。ちなみに本屋もあるのですが、どういうわけか開店していませんでした。
驚いたのが、グッズショップのとなりに自動販売機があったこと。驚くことか、と思われるかも知れませんが、ウランバートルではまるで見かけないのです。小規模なお店や物売りがたくさんいるので、なくても困ることはないのですが。
そしてさらに驚いたのが、トゥグルグの紙幣をそのまま受け付けるんです。これまた当たり前じゃないかと思われることでしょうが、私がウランバートルで今まで見てきた自販機と言えば、韓国の中古品を直輸入とか、旧ソ連製の年代ものとかです。前者はモンゴル向けに改造されているわけではなく、後者は社会主義時代のコイン(今はインフレで通貨としての価値はほぼゼロ)しか使えません。そのため、自販機を使いたければ係りの人にお金を支払い、韓国ウォンかムング(モンゴルの補助通貨、制度上は残っているはず)のコインを貰って自販機に投入するという、自動の意味ないじゃんシステムになっていたのです。
それが時代が下り、ついにトゥグルグ対応の自販機が登場したのです。世の中変わるんだ、と実感せずにはいられませんでした。もっとも、だからと言って自販機を使うかどうかは別問題ですが。スーパーや商店の方が安いようですし。
中に入って階段を上がると、ガラスの向こうにモンゴル・日本センターが見えました。以前から国際会議で何度となく利用させていただいたところです。
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以前はこのセンターが通りに面していたのですが、建物と通りの間の敷地に図書館が建設され、センターが隠れる形になってしまいました。
新図書館建設前、2004年にセンター付近を通りがかったときの写真です。
このように、当時は敷地を広く取ってあったのですが、ここに図書館が建ってしまい、センターには裏まで大回りしないと入れなくなってしまったのです。
この辺の経緯については、噂レベルではいろいろ聞きます。それを書こうと思えばかけるのですが、書きません。裏が取れてないからです。現地報道等調べてはいるのですが……
閑話休題。会場の会議室に到着しました。例年によって、報告者には座席とミネラルウォーターが用意されています。それにしても、リソース・パーソンという扱いは初めてのはずです。
なお、会議と私の報告については、以前エントリを書いたので、そちらをご覧ください。
そういうわけで会議が終わり、レセプションです。こういうところでの意見交換や名刺交換から、研究上思わぬ手がかりが得られたりするので、侮れないのです。
遊牧のイメージが強いモンゴルですが、こういう席ではサラダが普通に出るようになりました。
ただ、葉物の野菜がたくさん出るようになったのは、私の若い頃から大きく変わったところです。以前はトマトや大きなキュウリを輪切りにしたのが並ぶのをよく見かけたものです(懐
とはいえ、肉ももちろん出ます。これもネギに加えてキノコが入るようになった辺り、ウランバートルの食生活のバラエティが広がったのをあらためて実感します。
そして肉。こちらも、付け合わせの野菜がジャガイモぐらいだったのが、つくづく変わったものです。
レセプションの間には、民族芸能の披露がありました。まずは馬頭琴とオルティン・ドー(長唄)。
こちらは民族舞踊、となりそうなものですが、どういうエスニック・グループのものかは分かりませんでした。モンゴル系の「民族舞踊」あるいは「伝統舞踊」が、どれほど「民族」「伝統」なのかは難しいところで、聞いてみれば良かったかも知れません。
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