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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2018.08.07.愛知ディオーネ対埼玉アストライア@高知観戦記

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 女子プロ野球が高知にもやって来ました。愛知ディオーネ埼玉アストライアナイトゲームが高知球場で開催されます。滅多にない機会を逃すまいと、見に行ってきました。

 

 

 女子のプロ野球なんてあるの?という方もいらっしゃるかも知れませんが、それがあるんです。日本女子プロ野球リーグ(JWBL)は2010年に2球団で発足、その後変更を重ねて、現在では京都フローラ、愛知ディオーネ埼玉アストライアの3球団によるリーグ戦、さらに若手主体のレイアを加えた4球団によるトーナメント戦を行っています。

 

www.jwbl.jp

 

 女子プロ野球はちょうど四国遠征中。2日前に香川で行われたトーナメントに続いて、この日は高知に移り、リーグ戦1試合を行う予定です。

 

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 こちらがスタメン。正直言うと、埼玉の川端(東京ヤクルト川端慎吾の妹 兄より打率が良い)、愛知ではリーグ創設以来のヴェテラン厚ヶ瀬ぐらいは知っていますが、後の選手は全然分かりません。

 むしろ驚いたのが球審の名前。珍しい苗字、というのではなくて、パ・リーグで長らく審判を務めた(のちにNPB審判部の統合に伴い、セ・リーグの試合にも出場)柿木園さんだったからです。NPB引退後は独立リーグの1つベースボール・ファースト・リーグで後進の指導に当たっていると伺っていたのですが、女子プロ野球でも活躍されていたんですね。

 

 

 僕は、柿木園悟ちゃん!

 

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 試合前、ディオーネの選手が続々と登場してきます。それを迎えるのは、

マスコットのディオーネちゃんと、大柄なコーチ。誰かと思ったら、中日ドラゴンズ北海道日本ハムファイターズに在籍した森章剛ヘッドコーチでした。「ショーゴー」と言えば思い出すドラファンもいらっしゃることでしょう。

 

www.jwbl.jp

 

女子プロ野球も年数を重ね、最近では女性指導者も現れていますが、今でもマニアックなNPB選手がコーチ陣にいるので、NPBファンにとってもなかなか興味深いところです。

 

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 ファイティングドッグスの公式戦なら試合中に(最近はフルで)ラジオ体操をするところ、こちらは試合前、両チームの選手が揃ったところで、オリジナルの体操です。

 

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 さてさて試合です。ディオーネ先発は松谷。レイアから今季「上がってきた」選手です。ちなみに、選手情報はこちらからどうぞ。

 

www.jwbl.jp

 

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 対するアストライアの先発は谷山。調べてみるとともにハーラー首位タイの5勝どうし、どうやら良い対決を見ることができるようです。

 

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 試合は序盤から動きます。1回裏、ディオーネは1死から2番三原がヒットで出塁、盗塁を決めると、4番中田のタイムリーで1点を先制します。

 

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 対するアストライアは2回表、先頭の楢岡がセンター前ヒットを放ち、通算200本安打を達成します。しかし、松谷は後続を併殺に仕留め、チャンスの芽を摘み取ります。

 

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 3回表にはアストライア先頭の岩見が1, 2塁間を強い打球で破り、ヒットで出塁……かと思いきや、ここからライトの西山が1塁に返球してアウト。ライトゴロが記録されます。男子野球では滅多に見ないプレーですが、女子プロ野球では外野が普段から前進守備なためか、決して珍しくない、とは聞いたことがあります。

 

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 しかし、直後の9番佐々木が放った打球が、今度は左中間を破ります。守備位置が前に出ている分、外野を抜けると3塁打の確率は上がるようです。

 そして打順はトップに返り、加藤が打ったのはセカンド正面への当たり。ここでセカンド三原はホーム補殺を試みますが送球が高くセーフ。アストライアが同点に追いつきます。

 

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 ところがさらにその直後、ディオーネは2死から厚ヶ瀬が2塁打を放つと、またも中田。平凡なゴロと思われた打球が1塁ベースを直撃し、高くはねたボールはファースト田口の頭を超えて外野へ。ライトへのタイムリーで再び勝ち越します。

 

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 4回は両チーム無得点で終わり、ここでグランド整備とイニング間イベント。女子プロ野球は7イニング制なので、4回が折り返しになります。

 

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 試合終盤に差し掛かった5回裏、ディオーネはまたもチャンスをつかみます。1死から三原のラインぎりぎりの当たりがサードのエラーを誘うと、今度は厚ヶ瀬がタイムリーツーベース。ディオーネが貴重な1点を加えます。

 

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 ここでマウンドに集まるアストライアの内野陣。ベンチから来たのは、あの元オリックスの福留コーチです。私も学生時分に現役で出ているのを見たものです。

 

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 リードを広げたディオーネは、6回から継投に出ます。まずは小原が2番手で登板。

 

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 小原は1イニングを4人で抑え、きっちり役目を果たします。

 

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 続く6回裏、アストライアは2番手に磯崎を送ります。こちらも打者4人を無失点、ディオーネ2点リードで最終回に入ります。

 

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 ディオーネの締めを任されたのは里。先頭打者をいきなり三振に討ち取りますが、実はこの試合両チーム初めての奪三振です。

 

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 さらに里は続く二者もストラックアウト、三者連続三振で見事に抑えてゲームセットとなりました。

 

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 最終スコア。僅差の試合でしたがディオーネが安定感を示した形です。とは言え、アストライア先発谷山も5回で自責点2、先発の役割は十分に果たしたと言えるでしょう。

 

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 試合終了後、ディオーネの勝利のダンス。男子プロ野球ではなかなかないことですがが、この間アストライアの選手がベンチ前で立ってみていたことには驚きました。流石に憚られて写真は撮りませんでしたが。

 

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 ヒロインインタビュー、まずは先発の松谷。これでハーラートップの6勝目です。

 

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 続いては2打点、うち1つは決勝打点を叩き出した4番中田。北海道の方の4番中田も、負けずにしっかりやってほしいものです。

 

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 そして、ディオーネ碇監督による勝利監督インタビューが行われました。

 実は遥か昔に女子プロ野球の試合を見たことはあったのですが、高知に移ってからはとんと疎くなってしまいました。それだけに、自分の中の情報をアップデートする機会になって良かったと思います。試合自体も好内容でしたし。地方遠征はいろいろ大変でしょうが、また是非高知に来てほしいですね。