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それでも、東アジアのななめ上を目指す。

高知交響楽団第160回定期演奏会に行ってきました

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 高知交響楽団の第160回定期演奏会高知市文化プラザかるぽーと大ホールで開催。今回も聴きに行ってきました。

 

 

 今回のプログラムは私にとって思い出や思い入れの強い3曲が並びました。どこかで私のことを調べたのか、と言いたくなるぐらいの揃い方です。なので、ここからのお話も私事が多くなります済みません(汗)

 オープニングはヨハン・シュトラウスII世「喜歌劇『こうもり』序曲」。早速私事ですが、私は学部生時代、オーケストラでテューバを吹いていて、1年生の冬、定期演奏会でのオープニングがこの曲だったのです。当時の大方の1年生奏者にとってはデビューの機会になったので、同期にとっては思い出深い作品となっていることでしょう。もっとも、私はその前の演奏会から駆り出されていた一方で、この曲では全く出番がなかったのですが……

 曲自体はオペレッタの序曲なので、劇内音楽の聴きどころをまとめたもの。個人的にはもっとウィンナ・ワルツ風の演出を派手に利かせても良いかなと言う気もしたのですが、メリハリのある演奏であったとも思います。 

 サブメインはチャイコフスキー「バレエ組曲くるみ割り人形』」。先程お話しした定期演奏会では、この中の「行進曲」をアンコールで演奏しました。なお、出番があったのは全部で3小節でした。

 作品自体は一部がCMやBGMにまま使われていますし、聴いたことがある方も多いと思います。ただ、ハープとチェレスタというオーケストラでは普段使わない特殊楽器が含まれているために、実演は意外と少ないように思います。あっても、組曲からさらに一部を抜き出して、 特殊楽器を使わずに済ませるとか。そういうわけで、今回は案外貴重な機会だったのです。特にフルートさんはお疲れ様でした。

 そしてメインはシベリウス交響曲第1番ホ短調。私がクラシック、とりわけシベリウスをはじめフィンランドや北欧の作曲家にハマることになったきっかけは、まさにこの作品です。ただ、これまで演奏する機会がなかったのが無念の極みで、もしもテューバ吹きに戻れたら、真っ先に演奏したい作品の1つでもあります。

 シベリウスは番号付きの交響曲を7曲遺していて*1、番号が進むにつれて独自性が高まっていきます。逆にもっとも早いこの作品は、ロシアやオーストリアの作曲家の影響を指摘することができますが、かと言って模倣では全くありません。むしろ、若きシベリウスが自らの持てる技術や創意工夫を全てつぎ込んだ、いわば「全部乗せ」の作品です。あるいは皿鉢感あふれる交響曲と言っても良いかも知れません。ようかんまで乗せるんですか、やっぱり、という感じで。

 ただ、そういう曲であるということは、演奏する方にとっては難曲、ということです。ほとんどの楽器に(テューバにも!)独奏の要素がありますし、とりわけクラリネットさんに関しては、よく演奏を断らなかったものだと思います。他にも弦楽器が細分化されたり、第2楽章は途中で4分の4、4分の6という異なる拍子で同時進行したり、まぁ書いてるだけで、とんでもない曲だなとあらためて実感します。

 それだけに、練習中は本当に大変だったろうと苦労がしのばれますが、演奏自体は質実なもので、きちんと乗り切れていたと思います。拍子の取り方が非常に難しいところが多々ある曲ですが、崩れる気配はなかったですし。実に上手くまとまった演奏を聴くことができました。

 

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 アンコール曲はこちら。いかにもシベリウスという曲ですが、アンコール・ピースにしては結構長い一品です。これもこれで大変だとは思いましたが、気軽に楽しむことができました。オーケストラの皆さん、お疲れ様でした。

*1:シベリウス交響曲第8番にも取り組んでいましたが、本人が破棄したらしく、現在確認できるのは断片のみです。また若い頃に合唱・独唱付きのオーケストラ作品「クッレルヴォ」を書いていて、これが交響曲に分類されることがあります。