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第29回全米サービス・ラーニング年次大会参加記(2)DFWからツイン・シティーズへ

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 飛行機はダラス・フォートワース空港に着陸しました。テキサスです。南部です。降りた途端に冷房の感触が肌を打ちます。しかしここで乗り継いでいく先は厳寒のミネソタ。入国審査の係官には「寒いだろうから気を付けてね」と言われました。

 

 

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 ここで乗り換えるのはミネアポリスセントポール空港行。今回大会が行われるのはセントポールなのですが、ミネアポリスとは隣接しています。この2つの都市はしばしば「ツイン・シティーズ」と呼ばれるぐらいで、空港も両市の名前が併記されています。

 の飛行機まで、歩いていくには距離があります。空港の案内係の人からスカイリンクというのに乗ると良いと教えてもらったので、乗り場に向かうことにします。

 

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 スカイリンクは空港内の各ゲートを結ぶ、日本で言うと「新交通システム」と呼ばれる乗り物です。この図で言うと、空港ビルの外周を囲むオレンジのラインを双方向に走っています。

 

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 乗り場に着くと、丁度ドアが閉まってお目当ての方向の列車が発車(苦)。ただ、1分待てば次の列車が来るというので、特に焦ることもありません。

 

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 こちらがスカイリンクの車両です。2両編成、無人運転の列車がひっきりなしにやって来ます。

 

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 せっかくなので、一番前に乗ってみました。

 新交通システムは、簡単に言ってしまえばコンピュータ制御で小型の電車を走らせるシステムです。高知はおろか四国にもないので想像できない方も少なくないと思うのですが、いちばん近いのは広島のアストラムライン、あるいは東京ならゆりかもめや舎人ライナー、大阪ならニュートラム、神戸ならポートライナーや六甲ライナーが該当します。ただし、スカイリンクは案内軌条(電車の行き先を決めるレール)が中央にある点で、日本の主流派のシステムとは異なっています。

 

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 スカイリンクでビルを回り、ミネアポリスセントポール行のターミナルに来ました。パネルには米国内のみならず、世界各地に向かう飛行機がずらりと並んでいます。こういうパネルが1箇所に6つも7つも並んでいて一瞬戸惑うのですが、航空便は目的地名のアルファベット順に配列されているので、迷うことはありません……

 そう言いたかったのですが、実はスカイリンクに乗る前は迷いました(汗)というのが、"M"のところにあるはずの「ミネアポリス」が見つけられなかったのです。搭乗券にもゲートは示されておらず、仕方がないので案内係の方に尋ねてようやく分かった次第です(その時にスカイリンクのことも教えてもらったんですね)。

 ただ、よくよく見ると、ミネアポリスセントポールと思しき略称が右側のパネルの上の方にありました。ミネアポリスは"Mpls"となっていて分かりにくいですが、セントポールは間違いありません。我ながらうっかりしていましたが、それだけに案内係の人にはこちらの問い合わせに嫌な顔一つせずに答えてもらえて助かりました。国が国なら「パネルを確かみてみろ!」と言われて終わりかも知れませんし。

 

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 で、ゲートに着いたと思ったら、しばらくすると変更のアナウンスがありました。同じターミナル内なのでまだ良かったですが。

 

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 ただ、出発時間と搭乗時間は変更がありません。手続きが始まってゲートに入ると、待っていたのはB737-800。今回は高知から羽田もこの型式でしたし、この数年やたらめったら乗っている気がします。

 ともあれ飛行機に乗り込み、ミネアポリスセントポールまでは3時間弱。目的地が近づいて降下を始めると、眼下に見えたのは一面の雪景色です。ダラスでは暑いので、コートはもちろんジャケットの下のセーターも脱いでいたのですが、こりゃいかんとばかり、着陸してすぐに着込むことにしました。コートにマフラーまで装着すると、隣の席の人が「もう着込むの?」と言っています。「これで準備OKですよ」というと、少しウケました。

 

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 というわけで空港に降り立ってみると、案内になぜか日本語が混ざっていました。ツイン・シティーズと日本と、何か深い関係があったっけと不思議に思ったのですが、ツイン・シティーズ……ツイン?ミネソタでツインと言えば、MLBにそのものずばりのツインズというチームがあります。ツインズ……日本……うっ、頭が……

 

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 という話は忘れることにして、空港からホテルまで向かいます。タクシーぐらいしかないかと思いきや、乗り合いのシャトルがあるというので、その場で予約しました。

 

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 こちらがシャトル、なのですが、他の乗客がいなかったので実質貸し切り状態で空港を出発します。道中はさほど混むこともなく、20分弱でホテルに着きました。

 

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 部屋に入ってみると、ポートランドの時と同様、1人利用にはかなり広い部屋です。といってもシングル自体がなかったんですよね。ただ部屋ですることもないので、とりあえずバーで軽く一杯だけ呑むことにします。

 バーに行ってみると大きなテレビが置かれていて、アイスホッケーの試合のダイジェストが流れています。後で知ったのですが、セントポールにはNHLのチームがあるのです。この日は試合があったのか、ユニホーム姿の人もいます。

 で、それが現地の3月10日夜。日本は既に3月11日のお昼です。この6年、この日を深刻な雰囲気の中、深刻な思いで過ごしてきたのですが、今年はそんな深刻さから完全に切り離され、周囲から何の憂いも感じられない中に身を置くことになりました。どういう感情を持って良いのか分からないまま、ビールを一杯だけゆっくりと呑んでいます。

 

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