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それでも、東アジアのななめ上を目指す。

三江線最後の旅(4)口羽駅にて

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 三江南線時代の終着駅口羽。ここで列車は行き違いのためしばらく停まります。空気はすっかり冷たくなってしまいましたが、それでも降りて駅の様子を眺めてみます。

 

  

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 ホームに架かった行先案内板。上下の線路に挟まれたホームで、列車の行き来を見守ってきました。

 

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 駅には三江線沿線で盛んな石見神楽にちなんだ大きなボードがありました。駅ごとにそれぞれ演目が示されているようです。写真では字がぼやけて読みづらいのですが、「神楽奉納の初めに舞われる儀式舞」とのことです。三江線ではこのようなボードが各駅に置かれているほか、全面ラッピングを施した「三江線神楽号」も運行されているのですが、残念ながらダイヤの都合上、走っているところを見ることはできませんでした。

 

■ ぶらり三江線WEB: 三江線神楽号運行予定

 

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 駅舎の前には人だかりができています。見ると、列車の乗客に記念グッズを売る露店が出ていました。

  その小さな賑わいから外れた裏側に、横断幕が掲げられています。

 

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 見ると、三江線沿線自治体の観光協会による、廃止が決まってから掲げたと思しき横断幕でした。

 

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 駅の近くで、地元の自治会による別の横断幕も見かけました。こちらは間違いなく廃止決定以前から掲げられていたものです。

 少子高齢化、過疎の進展、時代の流れ。「中央」の人々が見向きもしない地方ローカル線の廃止を、そんな言葉で片づけるのは簡単です。さらにいろいろな理由をつけて、時の流れに掉さすことを正当化できれば、その方が楽に決まってます。

 ただ、そうではない選択肢を選んだ末に、望んだ結果を得られなかった人々を、偉そうな言葉で片付ける資格は、少なくとも私にはないと思っています。それが「中央」とは縁のない人間の、せめてもの意固地というものです。

 

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 口羽駅の駅舎は、クリスマスから元旦を過ぎても、イルミネーションが施されていました。手前に止まる車が三江線グッズを売っています。

 

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 乗客の多くは車内かグッズ売り場にいて、駅の中には人影はありませんでした。ただ、灯りの乏しい界隈で、駅舎はとりわけ輝いて見えます。

 4月1日から、この辺りはどれだけ暗くなるのでしょうか。

 

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 さらに寒さが増してきました。特にすることもないので、そろそろ列車に戻ります。 

 

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 2両連結のディーゼルカーは、どの窓もすっかり結露しています。中に入ってしまえば、車窓はほとんど見えません。名残惜しいですが車内に入り、下り列車を待ってから、曇った窓の向こうの口羽駅を発ちました。