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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2017・中九州冬の旅(10)延岡から再び宗太郎越え

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 高千穂あまてらす鉄道での予定がなくなってしまったので、早々に高千穂バスセンターからバスに乗り、延岡まで戻ってきました。ここから普通列車で北に向かいます。なお、その列車が前に書いた通り1日3往復。

 

 

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 バスセンターの近くに鶏のキャラクターのボードがありました。「チキナン番長」だそうで、延岡名物チキン南蛮のキャラクターだそうです。

 というのを読んで、「えっ!?」と思った高知の方。高知県下各地で親しまれているチキンナンバン/チキン南蛮ですが、むしろ県外では宮崎県のものの方が知られているかも知れません。両者の違いはソースにあって、高知ではオーロラソースが多いかと思いますが、宮崎県のチキン南蛮はタルタルソースを使用。実際、私が昼食に食べたスーパーの総菜のチキンナンバンも、タルタルソースでした。

 

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 工事中のためコンコースはほとんど閉鎖中。それにしても、妙に「岡」の字が大きい気がします。

 

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 延岡と言えば旭化成企業城下町。そして旭化成と言えば陸上部。2017年のニューイヤー駅伝で久々の優勝、復活を果たした長距離界の古豪に、地元からの期待も高まっているようです。……って日付!日付!

 

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 延岡駅の時刻表。延岡から宮崎までは、特急も普通も1時間に1本ペースで走っています。ただ、特急の中にはワンマン運転のものもあります。存在自体は以前より知っていましたが、実際に時刻表に書いてあるのを見ると、地方は幹線輸送ですらこの有様かと、小さからぬ衝撃を受けます。

 

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 駅に入ると、正面に構内作業用のスイッチャーが目の前に停まっていました。その奥にはコンテナが積んであり、貨物列車の拠点になっていることが分かります。

 

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 久しぶりに見た電気機関車ED76形。国鉄時代から九州で活躍してきた列車で、かつては夜行列車も牽引、私もお世話になりました。

 

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 さて、予定が変わったせいで延岡でだいぶ時間があります。さりとてやることもないので、佐伯行の始発駅となる南延岡までいったん南下してから、北上することにします。

 

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 その南延岡駅は、延岡駅の1つ隣。列車を降りると、佐伯行が既に入線していました。

 

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 佐伯行は昨日同様、真っ赤な1両のディーゼルカーワンマン運転。発車までまだ数十分あり、乗客の姿はありません。

 

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 しばらくすると、次の宮崎空港行と、大分方面への特急が入ってきました。JR九州のデザイン性豊かな車両の揃い踏み、鉄道趣味的にちょっぴりぜいたくな写真です。

 その後電車が出て行ったので、佐伯行に乗り込みます。と言っても特にすることもなく、ぼーっとしている間に時間は経ち、発車時間となりました。

 

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 それから延岡を出てすぐ、線路時期から左手にゆるやかにカーブを描いて分かれていく小径がありました。おそらく高千穂線の廃線跡です。廃線から10年余り、敷地は線路を剥がされた今も、かつての姿を留めています。

 延岡を後にした列車は、徐々に山へと分け入り、宗太郎越えへと挑んでいきます。ただ、その前に乗客は徐々に降りていき、手前の北川を出た時点で、峠越えの列車に乗っていたのは私含め5名だけになりました。

 

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 山を走る間に日が暮れ、昨日と同じく漆黒の闇が訪れます。スマホの電波も途切れるようになりました。読み終わったばかりの本を取り出したり、地元の焼酎を呑んだりして時間を過ごします。その後下り坂に入ったのが感じられたものの、視界は相変わらず闇の中です。いつまでこのままなのかと思っていた頃、ようやく街の灯りが僅かに見えてきました。それが本当に少しずつ増えていき、佐伯の街に入りました。

 

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 佐伯駅着。ここから宿毛へのフェリーに乗る手もあるのですが、夜中の宿毛に着いてから朝まで、時間の過ごしようがありません。なので、もうしばらくJRに乗り、別のルートで四国へと海を渡ります。