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それでも、東アジアのななめ上を目指す。

シリーズ土佐の駅(159)蛍橋駅(とさでん交通伊野線)

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 高知市内の電車通りも西の端に近づき、南側に鏡川が次第に迫ってきたところにある小さな停留所が、蛍橋電停です。

 

 

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 信号を挟んで交互に置かれたホーム。拡幅が手についていないこの辺りの停留所同様、独立したホームがあるだけで、屋根も駅名板もない簡易なものです。

 

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  停留所から少し西に行ったところ、電車通りと鏡川の堤防に挟まれた小さな場所に、本線からレールが分かれています。

 

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 1本だけ枝分かれしてすぐに行き止まりとなっているのは、蛍橋車庫。たった4両の電車を停める、車両検査の設備も何もない、ささかやな車庫です。

 ただ、ここは隣の鏡川橋電停で夜の運行を終え、翌日の鏡川橋発の早番に備える電車の滞泊場。伊野車庫が無くなった今、わざわざ桟橋車庫まで帰らずとも夜を過ごせる貴重な場所なのです。

 

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 車庫から電車通りを隔てた反対側には、年月を感じさせる建物があります。

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 見るからに堅牢そうなコンクリートに、建築された時代の流行りであろうタイル張り。手前の柵にある2つの柱は、ここにかつて橋が架かっていたことを想像させます。長い年月の経過と付近の変化を見守ってきたことが伝わる建物です。

 

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 正面に掲げられているのは、高知市の市章。これもまた、建物とともに長く風雪に耐えてきたものです。南国高知とはいえ、雪が降らないではないので。

 

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 電車通りから階段を降りて水路を渡り、建物の近くまで来ました。電車の架線柱以外では珍しい鉄骨の電柱が、低いところから電線を伸ばしています。

 

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 建物があるのは石垣の上。下から見ると、その暗い色合いも相まって、さらに堅牢さが増して見えます。

 

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 北側に回って、現在の正面入口に向かいました。敷地には倉庫が増築され、雄姿は少なからず遮られています。

 

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 この建物は、もともと高知市水道局のポンプ舎として建てられたもの。今も現役の公民館として使われているようです。ただ休日の早朝に訪れる人はなく、まだ静まり返っているところでした。

 

(参考資料・今日のにっこりひまわり(3829)大正14年高知市水道局ポンプ舎)

www.himawarimilk.co.jp

 

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 再び停留所へ。冬枯れと枝打ちで幹だけとなった街路樹が、アスファルトとコンクリートだらけの風景とともに、寂寥感を強く出しています。

 

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 そんな中、下りの電車が停留所を出て行きます。電車は次の鏡川橋止、歩道橋を経て鏡川沿いをうねる線路でラストスパートに入ります。

 

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 電車通りも西の端に近い停留所。ここから東に向かえば、街は徐々に賑わいを増していきます。片側2車線の一方だけに整列した自動車の列を横目に、電車ははりまや橋方面へと速度を上げていきました。