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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

初めてのモンゴル「観光旅行」(13)ウランバートル市内散策

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 あっという間にウランバートル滞在最終日。もう1日あればとも思うのですが、そんなに仕事を開けられる身分でもありません。まずはこの日のうちにウランバートルを歩き回ることにします。

 

 

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 再びスフバータル広場。用事のあるなしに関わらず、数え切れないほど通り掛かった場所です。ただその様相は訪れるたびに大なり小なり異なっていて、変化の激しいモンゴル社会を映し出すようです。

 

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 革命の英雄スフバータル将軍の目線の先には、オフィスと上層階にホテルが入る高層ビルが建ちました。像の趣旨を考えれば、複雑な気持ちが湧かずにはおれません。

 

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 広場の南側にできた駐車場。ウランバートル中心部でこれ以上の立地は望めないでしょう。ただ駐車場不足も問題でしょうが、それ以上に深刻なのが市内に流入する車の増加で、こればかりは駐車場が増えても何の解決にもならないんですよね……

 

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 さて、少し西に進んだ金融街(?)で両替をすると、だいたいお昼どき。以前行ったことのあるレストランで昼食にします。

 

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 今回はショルログ(串焼き)を注文。ちょっと時間がかかりましたが、迫力のある肉が来ました。ここはモンゴル料理も外国料理も結構なボリュームで、全部食べられるのかとも思いましたが、「せっかくの機会なのにもったいない」というありがちな判断でとりあえず平らげました。

 

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 昼食後はしばし買い物。フェンスからわずかに顔を覗かすビートルズモニュメントを眺めながら歩き回ります。

 

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 一通り買い物が済み、今度は博物館に行ってみることにしました。途中で気象庁の前を通りかかると、ペンギンの親子の像がありました。ちなみに、動物園らしい動物園のないモンゴルですが、剥製のペンギンはかつて入ってきたものが今も残っています。

 

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 玄関手前の反対側には、ホッキョクグマの親子の像。温暖化問題啓発というものでしょうか。

 

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 さて、やってきたのは政府宮殿西隣のモンゴル国立歴史博物館。久しぶりの訪問なので私も楽しみです。

 

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 手前にあるのは粛清犠牲者の記念碑。ただよく見ると、以前あった死刑廃止のアピールが撤去されています。このアピールはもともとなかったのが、前大統領が在任中に死刑の執行停止を決めた辺りで加えられたものですが、となると大統領が代わったのが原因でしょうか。モンゴルの死刑制度の今後を考える上でも気になります。

 

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 粛清の時代を忘れるなかれという詩を刻んだレリーフが、像の横に置かれています。

 

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 ちょうどこの時期は粛清犠牲者の慰霊日があり、博物館でも特別展が行われているようです。これはちょうど良いとばかりに入ってみたのですが、まさかの休館日。夏の間は毎日開館していたようですが、ハイシーズンは終わったのです。

 

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 それではと、今度は自然史博物館に行ってみました。こちらは昨年から大改修が始まっていたものの、そろそろ終了していないかという望みを抱いて近くまで来てみたのですが、空いている気配がありません。そもそも改修が終わったような容貌ですらありません。これはどうにもならなさそうです。

 期待していた博物館訪問が空振りに終わったと意気消沈しかかっていたところ、ふと美術館なら空いていたはずだというのを思い出しました。ここまできたらダメでもともと、美術館に急ぐことにします。

 

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 ザナバザル名称美術館。モンゴルにおけるチベット仏教の代表的な活仏、ジェプツンダンバ・ホトクトの初代となるザナバザルの名称を冠したこの美術館は、モンゴルの歴史遺産や、チベット仏教芸術を主に収集・保存しています。

 

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 手前には鹿の岩絵をモチーフにしたと思しき彫刻がありました。

 

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 こちらはファッションショーの予告。女身の菩薩ターラーをテーマとしたもののようです。先程も書いた通り、この美術館はモンゴルにおけるチベット仏教芸術のコレクションで知られていて、なかでもザナバザルの手によるターラー像は長らく崇信を集めるとともに、その優美な姿で高い芸術性も認められていて、美術館の中でも特に有名なものと言えるでしょう。

 で、今度こそは美術館が開館していました。中での撮影は認められていないので写真はありませんが、さまざまな展示品の中には「ツァム」と呼ばれる仏教舞踊の仮面もいろいろと置かれていました。これを見たことが後で効いてくるのですが、それはまた次回。

 

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