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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2017モンゴル初秋探訪記(6)ウランバートル郊外で馬三昧

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 ジューコフ博物館を出てから1時間以上、ウランバートル郊外にある保養施設にやって来ました。ここで少しですが乗馬を楽しむ時間があるそうです。

 

 

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 施設内にはチャツァルガナ(沙棘;サジー)が植えられています。私が学生の頃は、名前は聞くもののなかなか見かけなかったのですが、最近は果実も加工商品も普通に見るようになりました。

 

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 チャツァルガナの実です。果実は小さく、柑橘類のように重たくはならないので運搬は楽でしょうが、数が多い分、積むのは大変そうです。

 

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 保養施設内には固定家屋とゲルの両方が建てられています。今回はゲルでいったん休憩です。

 

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 ゲルに入ると、甕いっぱいに馬乳酒が入っていました。カルピスの起源、というとピンと来る方もいらっしゃるのではないでしょうか。馬乳を発酵させたお酒、なのですが、アルコール度数がビールよりも低いので、アルコール飲料という位置づけはあまりされておらず、むしろ夏場の貴重なビタミン・ミネラル源と言った方が良いでしょう。

 

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 馬乳酒を飲んでみると酸味と軽い発泡感があります。工場で大量生産されるようなものではなく、味はそれこそピンキリなのですが、概して初めての方でも割と飲みやすいと思います。

 ただ、もしもし苦手な感じがしても、口をつける程度飲めば失礼には当たりません。むしろ調子に乗ってお椀一杯を空けてしまった方が怖い。外国からの観光客のように馬乳酒を呑みつけてない人だとお腹を壊してしまいかねないためです。ええ、詳しくは申しませんが経験で身に付けた知識です。

 

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 近くで馬が草を食んでいます。気候の厳しいモンゴルで、夏から初秋は僅かな安らぎの季節。そして、冬に向けてしっかり食べておかないといけない時期でもあります。

 

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 近くを川が流れています。モンゴルでは市街地でもない限り堤防はほとんどないのですが、ここは保養施設があるとのことで、簡単に石が積まれています。

 

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 日本と違い、川の両岸を区切るようなものはありません。草原が続いてきた中で、いきなり川です(もちろん、河床が削れて深くなっているところもありますが)。家畜が水を飲んだり、遊牧民が水を汲むには好都合ですが、それとは気付かずに突っ込んでしまう人はいないのだろうかと思ったりもします。

 さて、この川を渡った先で乗馬ができるそうなので、行ってみます。すぐに馬は来たのですが、意外と参加者が尻込み。ならばと、先に乗らせてもらうことにしました。

 

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 まずは現地の方に曳いてもらって歩きます。やはり馬上の風景というのは良いものです。

 

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 ただ、そのうちどうしても自由に走り回りたくなってきます。するとウズウズしているのが分かったのか、「1人で走ってみるかい?」という声。もちろん遠慮などしません。久しぶりに単騎で動いてみることになりました。

 

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 手綱をもらい、ここからは一人で馬を操ります。最低限の指示の出し方は身に付けているつもりですが、それ以上に大事なのが堂々と乗ること。おっかなびっくりで乗っていたら、不安は馬にも伝わります。それで馬が不安がったり、こちらをナメてきたりされたら終わりです。

 

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 あれこれと言葉をかけつつ、付近を右へ左へと歩きます。流石に走ると危ないので、スピードはゆっくりです。

 

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 一通り単騎行を楽しんだのは、いったいいつ以来でしょうか。まだ乗っていたい気もしますが、ようやく他の人も興味を示し出したので、これで降りることにします。

 ちなみに鞍は前後両端が高いモンゴル流のもので、ロシア流の平坦な鞍と比較すれば立ち乗りに近い感覚があるのですが、慣れない日本人が乗ると猫背になってしまい、どうも見栄えが良くありませんね。やはりモンゴルで馬に乗り慣れている人のようにはいきません。

 

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