2013年、国内観測史上最高気温を記録したのは、誰もが予想だにしなかった四万十市は江川崎気象観測所でした。その江川崎を、まだ肌寒い春の雨の日に訪れました。
窪川から四万十川沿いを走って来た海洋堂ホビートレイン「かっぱうようよ号」。数分程は停車していましたが、すれ違う列車もなく、そのまま宇和島へと去っていきます。
この辺りの駅としてはかなり広い構内。しかし本線以外のレールはところどころ撤去され、かつてのホームか荷下ろし場と思しきところも、使われなくなって久しいようです。
駅の向こうは田畑と、四万十川に注ぎ込む広見川の向こうに、愛媛と高知を隔てる山々が続きます。
高知市内では散るものも多かった桜も、ここではまだ盛りのものが残っています。夏暑いからと言って、春が早いとも限らないのが、四国の山間地の複雑なところです。
窪川方面。引き込み線のレールは根元から切断され、もはや無用のものとして放置されています。
踏切を渡った先にある駅舎。ローカル線の駅には珍しく事務所部分が大きく、一部は二階建てになっています。
そして無人駅かと思いきや、駅事務所の扉が開いています。近づいて見るといろいろグッズを売っていたので、地元の自治体か団体が事務所を借りて営業しているのでしょう。
江川崎にもあったカップル用のベンチ。看板の横に温度計がある辺りが、最高気温記録を意識しているようです。ただこうなると、逆に冬どのぐらい寒くなるかが気になってきます。この辺なら、雪が積もるぐらいの寒さなど珍しくないかも知れませんし。
駅舎の真ん中には大きなボードが置かれていて、ここでも日本一暑いというアピールを見ました。
風が吹き抜ける駅舎。コンクリートも相まって冬は寒そうですが、夏の盛りは暑さしのぎになるのかどうか。
駅前に出てきました。ここからバスが出ていて、待合用のベンチと灰皿も置かれています。
桜が盛りの駅前広場。奥にある塔は、かつて蒸気機関車が走っていた頃の給水塔跡でしょうか。
駅の隣にある案内所。私が訪れた時には閉まっていましたが、天気が良ければここからレンタサイクルで出かけることもできます。
予土線全通までは終着駅として賑わったであろう、広い駅の構内。今使われるのはほんの一部です。
本線と断ち切られたレールの向こう、雨で煙る広見川の鉄橋を渡って、小さなディーゼルカーが1両だけでやってきました。
宇和島行のキハ32、国鉄最末期のレールバス然とした車両です。
四万十川と分かれたばかりの車両は、これから西ヶ方を経て、広見川沿いに県境から愛媛県内の曲がりくねった路線をゆっくり走っていきます。