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人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、酒には酔うてみよ。

シリーズ土佐の駅(142)西ヶ方駅(JR予土線)

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 鉄道で高知県に入るルートは3つ。1つは土讃線土佐岩原から、もう1つは阿佐海岸鉄道で甲浦から(と書いたものの、実際は甲浦で行き止まりなのですが)。そして残る1つが予土線で、この西ヶ方から窪川方面へのルートです。

 

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 予土線を走る新幹線、正式には鉄道ホビー列車。車両の片方の端には初代新幹線0系を思わせるボンネットが付いていますが、こちら側は塗装だけで、現代アートでも観ているかのような気分になります。

 

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 列車が去った後。折からの雨で視界は悪く、線路はもやの中に消えていきます。

 

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 ホームから愛媛方面を眺めます。ディーゼルカー5, 6両はゆうに停まれる長さのホームですが、それだけの余地を使うことはいまではあり得ず、1,2両分のスペースを除けば舗装もされず、土がむき出しのままです。

 

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 列車の少ない予土線の中でも、さらに僅かな列車のみを示した時刻表。運賃表には高知駅までの運賃は示されず、これだけ見れば愛媛県南部の駅なのではないかと錯覚するほどです。

 

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 天気には恵まれないものの花の盛りの季節。咲き誇る桜は、人口に膾炙したソメイヨシノだけではありません。

 

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 高知県でも端の方にある小さな駅。しかし、少ないスペースを庭園風にしつらえるなどして、地域の拠点としての顔を保っています。

 

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 駅前は数軒の住宅があるぐらい。足元が悪い中を歩き回ることもないと、すぐに引き返します。

 

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 駅のそばにはトイレこそあるものの、駅舎や改札は一切なし。スロープと呼ぶほど考えて作られたわけでもなさそうな舗装道が、何の断りもなしにいきなりホームに通じています。

 

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 待合所こそあるものの、細く簡易な棒線駅。しかし、今を咲く花々や田畑の彩りが、高知の鉄道の果てまで来たという寂寥感を和らげてくれます。

 

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 駅のそばにはプールがありました。近くの学校が使っているのでしょうか。

 いや、失礼ながら、近くに学校が残っていたらまだ良いのですが。そう思うほど、高知からは子どもたちの姿が減り続けています。

 

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 線路の向こう側には、四万十水系の広見川を隔てて山林が広がっています。「山笑う」と言われるほどの勢いで新緑が一気に生い茂る時期を、まだ深緑の木々が今か今かと待ち構えています。

 

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 そんな中で一本だけ、山桜が盛りを迎えていました。ほぼ深緑の世界の中で、己が存在を毅然と示していました。