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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

シリーズ土佐の駅(136)伊尾木駅(土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線)

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 高架が多いごめん・なはり線ですが、安芸から奈半利方面に出ると、線路は地上に降り立ちます。伊尾木駅は、そんな区間の途中にあります。

 

 

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 駅を出て奈半利に向かう列車が、数少ない踏切を渡ったところです。安芸の市街地を抜けて、再び海沿いを走っていきます。

 

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 列車が去ったばかりの線路。奈半利からの列車が戻ってくるまで、静かなままです。

 

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 安芸方面。踏切が並んでいます。ごめん・なはり線の開業は2002年、本来なら踏切は危険だと言うので作らないように指導が入るところですが、路線の建設計画ははるか昔にできたものだったので、そうもいかなかったのでしょう。

 

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 ホームの南側は、わずかな田畑と建物を隔てて、すぐに太平洋に続いています。

 

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 それゆえに、大地震が来たらこの駅も完全に津波で覆われます。あらためて、高架にできなかったのかとは思いますが、今更詮無きことです。

 

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 地上にある駅とは言え、ホームなので階段はあり、降りて駅前に向かいます。

  

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 他の高架駅とは違う造りの待合室。といっても、木材をふんだんにつかったところは一緒です。

 

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 すっかり古くなってしまった観光案内。写真は破れてしまいましたが、「寅さん地蔵」というのがあることは分かります。

 

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 伊尾木駅のキャラクター。先程の地蔵も含め、あの車寅次郎がモチーフです。

 ここは映画「男はつらいよ」の第49作「虎次郎花へんろ」のロケ地になるはずの土地でしたが、主演渥美清の急逝によって映画製作は幻となりました。それでも寅さんへの思いが断たれることはなく、こうして具現化されているのです。

 

■ 男はつらいよ覚え書きノート 寅次郎な日々 2006年12月分と2007年1月分

 

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 住宅が集まる駅前の一角に、小さな公園があります。今はまだ朝早く、子どもの姿はありませんが、ささやかな場所でも幼い子どもには格好の遊び場なのでしょう。

 

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 さらに少し歩いたところに丘があるようです。海に近いこの辺りですが、割合起伏があります。

 

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 見ると、八幡宮の鎮守の森で、いざという時はここに避難すべしとのことです。海抜19メートル、県外の人なら十分な高さかと思われるかも知れませんが、黒潮町の予想最大津波高34メートルというのを見てしまうと、これでも安心しきれるわけではありません。

 

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 駅から歩いて国道に出ると、津波避難タワーがありました。車いすシニアカーで移動するしかない人もいるので、緩いスロープがぐるぐるとタワーを巻きながら上がっていきます。

 

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 タワーのすぐ近くのバス停。室戸・甲浦方面と馬路村方面のバスがここに立ち寄ります。

 

 

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 室戸や甲浦へのバスは、かつての土佐電の安芸駅前にある安芸営業所から発着しています。ごめん・なはり線が開通した後も、奈半利までの区間が廃止されることはなく、今もバスはこの辺りを走っています。室戸までならバスは1時間に1本、意外に多く走っている印象があります。

 

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 そういう間に、室戸岬ジオパークセンターまでのバスがやって来ました。ちょっと趣向を変えて、このバスで東南に走ってみます。