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人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、酒には酔うてみよ。

四国みぎした・阿佐線の夢を旅する(2)牟岐から海部を経て宍喰へ

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 海部で乗り換えたJRの車両で15分ほど揺られ、牟岐駅にやって来ました。ここから海部までは阿佐線の一部として着工、開通しながら牟岐線に組み込まれた経緯があります。というわけで、今回はこの牟岐から折り返して西に向かうことにします。

 

 

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 高知では国鉄時代のディーゼルカーは末期のものを除いて一掃されましたが、徳島県内では今も現役。牟岐駅でも出番に備えて待ち構えています。

 

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 一方、駅の事務所には通票(タブレット)ケースが架かっています。こちらは現役ではないはずなのですが、信号が故障した時にでも使うのでしょうか。

 

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 牟岐駅からの列車が出るまで少し時間があるので、駅前を歩いてみます。休日の昼間ですが、駅前はたまに車が通るぐらい。人通りもあるにはありますが、営業している店もほとんどなく、静かなものです。いかにも、今の田舎の駅です。

 

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 牟岐駅の駅舎は、現代的な、と言えば良いのか、ミラー張りの派手さと、タイル張りのシックさが同居する、どこか不思議なデザイン。ただ使用感漂う駅名板もあり、時代を感じさせる面が勝っている気はします。 

 

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 駅の真向かいには、野口雨情の詩を刻んだ石碑が置かれています。かつて雨情自身が牟岐を訪れたことがあるようですが、詳しいことは調べてみないと分かりません。

 

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 駅前道路の中央分離帯にある小さな池。三方をアスファルトに囲まれていて、鳥ならいざ知らず、陸上の動物にとって、ここまでたどり着くのは至難の業のようです。

 

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 牟岐駅舎と並び、こちらも時代感のある旅行代理店の建物。隣り合う家屋と混ざって、和洋折衷の趣すらあります。

 

 さて、列車の時間も近くなったので、牟岐駅に戻ります。徳島行の列車は既に出た後で、先程海部から乗ってきた列車に乗り込みます。

 少しすると、隣に徳島からの列車が到着。そこから数人の旅行客が乗り込むと、海部行は牟岐を後にしました。

 

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 牟岐からは特にどうということもなく、再びトンネルを抜けて海部に到着。

 

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 海部では阿佐海岸鉄道の先程の車両に乗り換えます。阿佐海岸鉄道には車両が2両しかなく、今日はこちらの301号が甲浦との間で、行ったり来たりを繰り返します。

 ただ、今回は間の宍喰で途中下車。室戸岬へのバスが来るまで時間がありますし、高知県内の駅ではないにせよ、いったん降りて阿佐海岸鉄道の全駅で乗り降りしたという、ささやか極まりない記録を作っておきます。

 

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 海部から数分、宍喰に着きました。インターネット黎明期のホームページ(あえてウェブサイトとは言わない)を思わせる駅名板が出迎えます。

 

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 レールバスは乗客を降ろすとすぐに発車します。見ると、本線の横に途切れたレールが走っています。

 おそらく、宍喰駅は行き違いのできる駅として計画、建設されたのでしょう。ところが開業するのは甲浦までで終わってしまい、行き違い施設は過大投資になってしまいます。それで、結局宍喰駅はホーム1面だけのいわゆる棒線駅に止まり、ポイントは作られなかった、あるいは作ってはいたかもしれませんが外すことになり(そのままだと保線に手間もかかりますし)、ただ残りの線路までは外すのも面倒なので放置されている、というのが推測できます。

 

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 列車が去って行った先に、大きな工場のような建物があります。ここが阿佐海岸鉄道の車庫になります。もし阿佐線国鉄線として開業していたら、この車庫はできていなかったことでしょう。

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 ホームの反対側、打ち捨てられた線路の向こうに建物があり、屋根の上に四角い土台が見えます。コンクリートの土台は、建物の周囲にもあります。この上に、おそらく徳島方面行のホームが置かれるはずでした。しかしそれは実現しないまま、何の役目も果たせなくなった構造物が、これから長い長い年月の間、ただ朽ちるまで残されます。

 

 ところで、この宍喰駅に来た理由はもう一つ、ある出会いに期待してのことです。