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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

シリーズ土佐の駅(120)中山駅(とさでん交通伊野線)

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 いの町内のとさでんの路線はすべて単線。伊野からの線路も単線が続きます。その間いちども線路は枝分かれすることもなく、この中山まで一本だけ続いていきます。

 

 

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 中山駅は、国道33号線の脇をずっと走り続ける伊野線の途中にある駅の1つ。信号を隔てて、交差点の手前に上り下りの乗り場が設けられています。

 

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 はりまや橋方面のホーム。屋根に加えて新しい個別型のベンチが置かれています。

 

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 東行の路線は、はりまや橋までが伊野線、そのまま線路は直進して、後免町までの後免線につながっています。ただ伊野から後免町までの定期列車は1本もなく、この辺りを走る電車でもっとも遠くまで行くのは、高知市内の文殊通までです。

 

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 国道脇の敷地は、広いようで広くありません。歩行者と自転車の通路を確保しようと思えば、この辺りでは線路の両側にホームを置くのは簡単ではありません。

 

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 西行ののりばは、ためにノーガード電停となっています。少しずつ解消が進められているノーガード電停ですが、現実としてすべてなくなるのは不可能に近いのかも知れません。

 

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 停留所の奥では、とさでんの職員が線路の管理中です。日中の電車は上り下りとも21分に1本ずつ、合間を縫って安全管理に余念がありません。

 

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 中山駅のある交差点には、大きめのスーパーが面しています。この辺りは他にも商業施設が多く、何かと便利は良さそうです。

 

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 交差点の北側。建物が集まる国道沿いを少し離れれば、住宅街と田畑が混在する、のどかな郊外の景色が広がります。

 

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 駅から東に歩くと、線路のすぐ北側に小川が寄ってきます。冬枯れの堤の間を、川がゆっくりと流れています。

 

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 ふと見ると、鴨が泳いでいました。冬だろうが寒かろうが、水鳥には関係ないようです。当たり前ですが。

 

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 さらに川沿いを歩いていると、線路が二手に分かれています。伊野からでは初めての分岐点です。

 

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  中山電停の東隣にある中山信号所。ここで電車が行き違います。もとあった信号所が沿線のバイパス工事によって移設されてできた、新しい行き違い場所です。

 

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 いくつも立てられた標識板。仰々しく見えますが、単線の路線は正面衝突の危険があるので、安全のためには注意喚起は多くても多過ぎることはありません。

 

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 単線区間の安全管理の鉄則は、区間の両側から絶対に列車を入れないこと。そのために、現在では日本のほとんどの区間で信号による自動管理が行われていますが、とさでんの伊野から中山信号所、また中山信号所から朝倉(高知大学前)まではそんな自動化はされておらず、通票(タブレット)と呼ばれるものを持っている車両以外は入れないようにする、昔ながらの方法が今も使われています。

 

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 そのため、ここで行き違う電車は、かならず通票を交換することになります。朝倉からの電車と伊野からの電車が中山信号所に来ると、伊野からの電車の運転士が中山信号所~伊野の通票を渡し、代わりに朝倉からの電車の運転士から、中山信号所~朝倉の通票を受け取る、逆もまた然り、という按配です。

 

(参考)朝倉(高知大学前)での通票交換の模様

3710920269.hatenablog.jp

 

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 通票は丸い板を使うのが一般的ですが、中央に形の異なる穴が開いていて、その形でどの区間を通るための通票か区別します。この標識は中央が丸く黒塗りになっていますが、つまりここから先の通票は丸い穴の通票を持っていないと通れないので確認すること、という意味になります。

 ちなみに、少し前の写真にありますが、もう一方の区間の通票は穴が三角のもの。こうして異なる区間が区別されているのです。

 

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 信号所を越えてさらに歩きます。住宅の多い枝川地区、町役場の出張所や公共施設も置かれています。

 

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 もう少し東に歩くと、すぐに東隣の駅、八代通が見えてきました。

 今から中山駅に戻ることもなし、ここで次の電車を待ちましょうか。