「もっと高知が好きになるWebメディア」を謳う高知発信サイト『ありんど高知』さんが発信したJR関連情報に、勝手に付け足してみたいと思います。
ネタ元となるエントリは、高知から東京への交通手段をまとめたもの。
エントリではバス・JR・飛行機それぞれでの移動について述べているのですが、JRに関する記述は新幹線と特急南風乗り換えのルートがほとんど。あとは、
新幹線や特急を使わずに在来線だけで東京に向かう場合は10回以上の乗り換えをしておよそ24時間掛けて到着することが可能です・・・(笑)
という、いかにも青春18きっぷなルートについて、簡単に触れています。
ただし、高知・東京間の移動には寝台電車を使うこともできます。また、高知→東京に限って言えば、実は鈍行乗り継ぎでも24時間よりはるかに速く着いてしまう方法があるのです。
というわけで、今回はそんな高知・東京間JR移動の奥の手を、こっそりお教えします。ネットの公開エントリでこっそりってのもヘンですが、ありんどさんに比べたらまるで見る人少ないですし(苦笑)
1. 寝台特急電車「サンライズ瀬戸」なら寝そべって夜のうちに移動できます!
夜の間に移動と言えば、若い人ならほとんど皆さん夜行バスを連想するでしょう。ですが、四国と東京の間には寝台特急「サンライズ瀬戸」が残っています。途中乗り換えは必要ですが、これを使えば夜の間に移動して、翌朝東京に着けるのです。しかも寝そべって。
こちらが東京駅で発車を待つ寝台特急電車「サンライズ」。東京と高松を結ぶ「サンライズ瀬戸」と、東京と出雲市の間の「サンライズ出雲」があり、東京・岡山間を連結して走ってから、岡山でそれぞれの行先に分かれます。上りは逆に高松と出雲市から岡山で落ち合って、一緒に東京に向かいます。
サンライズの売りはいろいろあるのですが、まずは寝台が全室個室。夜行バスとは違い、完全フラットで横になって休むことができます。
若い方なら夜行バスでも平気でしょうが、年を取ると翌朝の到着後も疲れが後々まで残ってしまうので、横になって足を延ばせるのは本当にありがたいのです。
最近は夜行バスでもカーテンの仕切り付きが増えてきましたが、サンライズは個室なのでカギがかかります。寝台列車なので枕と掛け布団、浴衣は当然ついてますし、電源もついてますね。
ちなみに、個室はB寝台で一番安い1人用の「ソロ」、広めの1人用個室「シングル」、補助ベッド付きで2人利用も可能な「シングルツイン」、2人用「サンライズツイン」、ハイクラスな1人用A寝台個室「シングルデラックス」といろいろあります。特に「ソロ」は昔のカーテン仕切りのB寝台と同じ値段で個室なので、お得感があります。ちなみに、上の写真は「シングル」です(だったと思う)。
こちらがシングルツイン。上についているのが補助ベッドです。一晩寝るだけなら十分なスペースです。シングルデラックスの写真はありません。高いからまだ使ったことがないのです(苦笑)
でも、寝台料金が気になるという方にサンライズ2つ目の売り!特急料金だけで横になれる「ノビノビ座席」があります。こちらはサンライズ瀬戸・出雲それぞれ1両ずつ連結されているカーペット敷きの車両。個室ではなく、寝具もついてないのですが、顔の辺りには仕切りがありますし、指定席の特急料金だけで良いので、寝台よりも少なくとも6千円以上はおトクです。ただこちらも手元に写真がないので、気になる方はJR西日本のページを見てみてくださいね。
さて、サンライズ3つ目の売りは、シャワーがついてます。夜行バスだと、到着後の身支度が気になる方もいるでしょうが、サンライズなら移動中にシャワーが使えます。B寝台の個室なら320円、A寝台のシングルデラックスなら無料で使えます。特に夏場はありがたいですね。
そんなサンライズですが、高知に行き来する場合は坂出乗り換えで利用します。モデルルートは、こんな感じです。
【高知→東京】高知19:34(しまんと8号)→坂出21:27/21:52(サンライズ瀬戸)→東京7:08
【東京→高知】東京22:00(サンライズ瀬戸)→坂出7:09/7:37(しまんと3号)→高知9:35
乗り換えがあるので所要時間上のメリットは大きくはありませんが、高知発は飛行機の最終便より遅く出て、初発便より早く着きます。東京発なら夜行バスより遅い出発なので、東京でもう少しだけ長居ができますね。
ただし、乗り換えは坂出一択!他でも可能なんですが、坂出乗り換えなら「しまんと」の特急料金が乗り継ぎ割引で半額になるのです。これはぜひとも覚えておきましょう。
そして気になる料金ですが、一番安上りのノビノビ座席+「しまんと」自由席だと、手元計算なら通常期で16,590円(時期により±200円)。ノビノビ座席の代わりに「ソロ」だと通年22,550円。バスより高くなりますが、それでもバス移動に不安のある方、東京で夜まで遊んでから帰りたいという方、十分検討に値すると思いますよ。
サンライズに乗って東京から一夜明け、瀬戸大橋を渡ったところ。大きな窓から見えるこの景色も、私がサンライズをおススメする理由の1つです。
さて、ここからはディープな鉄の世界です。心して読んでくださいね。
2. 究極の手段!オンシーズンならたったの2,370円!?普通でその日のうちに高知から東京(さらにちょっと先)まで行ってしまう方法
JR土讃線の土佐山田から北は列車の本数が少なく、普通の乗り継ぎは大変です。ただ、時間帯によっては意外と楽だったりします。
そんなこともあり、高知出発に限っては、日付が変わる前に普通列車で東京、あるいはその先まで行けてしまうのです。そのルートを下に示します。覚悟は良いですね?
高知5:42→阿波池田7:50/
7:57→琴平8:58/
9:05→坂出9:33/
9:38(快速マリンライナー)→岡山10:17/
11:12→相生12:18/
12:21→姫路12:41/
12:57 (新快速)→米原15:23/
15:30→大垣16:02/
16:11(平日新快速、土休日特別快速)→豊橋(平日)17:39(土休日)17:40/
17:42→浜松18:15/
18:26→興津20:01/
20:18→熱海21:22/
21:27(快速アクティー)→東京(平日)23:07(土休日)23:02
どうです?都合12回の乗り換えで、高知から東京まで18時間以内で到着できます。
しかもその日のうちなので、青春18きっぷなら1日分だけで済むのです。今は5日分11,850円なので、5で割って2,370円!春・夏・冬の青春18きっぷシーズンなら、1回(人)当たり2,370円で、高知から東京まで行けてしまうのです*1。一方、青春18きっぷや他の乗り放題の乗車券が使えない時期だと、高知・東京間の普通運賃が必要になります。その額、11,920円……だったら夜行バスに乗りますよね(笑)
ちなみに、東京なので当然電車はまだ動いていますから、乗り換えればさらに先に進めます。ただしここでは省略しますが、青春18きっぷのルール上、日付が変わるとややこしいので。北なら大宮、常磐線方面なら取手、東は千葉か千葉みなと、西は高尾、そこから先は仮に電車があっても別料金がかかると考えてください。
ただし乗り換えの都合上、東京から高知は途中新幹線か特急を使わないと、その日のうちには行けません。こちらもご注意くださいね。
……などと書いてはみたものの、私自身はこのルートを使ったことがないですし、使う気もありません。体力と回復力のある若い人が頑張ってください(笑)