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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

From PDX, OR, USA (1)高知からポートランドへ

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 先月アメリカはオレゴン州ポートランドに出張で行ってきました。仕事でのアメリカ訪問、私が何より恐れていた機会です。

 

 

 学部生時代のアルバイト以来、院生時代から定職に就くまで、私は何らかの形で、英語で食いつないできました。研究でも何とか英語を使ってきましたし、一応は成果も出してきたつもりです。

 ただ、英語圏での経験に関してはハッキリ言ってほとんどありません。今までで訪れたのはイギリスに1回、現地滞在5日間だけ。それ以外は日本国内での仕事か、英語を第2言語とする者どうしのやりとりで、英語ネイティブとのやり取りの機会すら、そう多いわけではありませんでした。それだけに、アメリカに行くことで、自分の「化けの皮」が剥がれてしまうのではないかという恐れがありました。

 

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  とはいえ、仕事である以上行かなければなりません。それに、上手くいけば今後の研究にも教育にも活かせる経験ができるかも知れません。不安と緊張、そして微かな期待とともに、高知を出発しました。

 

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 昼前に羽田着。時間はあるので成田までは電車で移動して、夕方に出るサンフランシスコ行の飛行機で飛ぶ予定でした。

 

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 ところが、羽田に着いてみれば、予定していた飛行機はなんと4時間半以上の遅延。使用機の到着が遅れているそうです。生殺しにあっているような気分ですが、仕方ありません。とりあえずサンフランシスコからポートランド行の飛行機を後続便に振り替えてもらい、しばらく空港ビルをうろうろすることにしました。

 

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 航空会社側の事情による遅延ということで、一部のレストランで優待がきくことになりましたが、金額は1,500円。千葉の地酒と特産の落花生を頼んだらちょうどぐらいでした。もっとも食事は機内でも出ますし、ひょんなことから地場のものを味わえたと思えば、悪いことではないのですが。

 

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 ともあれ、酒を呑んでしまえば仕事以外にやることもなく、時間は余っていましたがゲートに向かうことにしました。せめて搭乗時間だけでも早まってくれればと思ったのですが、甘い期待はあっさり消滅。

 

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 そして、だいぶ待った末に飛行機が到着。見ると、日本の国内線から姿を消して久しいジャンボジェットではありませんか!もう乗ることはないと思っていただけに、途端に気分が高まります。

 とはいえ、初めての米系航空会社の飛行機、なんちゃって国際派研究者からすれば、搭乗してしまうとやはり緊張感がぶり返します。それでも、今更引き返すわけにもいきません。飛行機は少々遅れましたが成田を出発しました。

 が、そんな緊張感は離陸前にすっ飛びました。映像設備のついた飛行機なら離陸前に必ず流れるセーフティビデオが始まったのですが、これがまた……

 同型の飛行機のものではありませんが、YouTubeに同じシリーズのものがあったので、まぁご覧ください。

 

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 それにしてもこのクルー、ノリノリである

 実際問題、このぐらい凝ったものでないとあまり見てもらえないという事情はあるんでしょうが、それにしてもここまでやるかと。呆気にとられている間に、飛行機は夜の成田を飛び立ちました。

 

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 ようやくありついた夜食。食事としてはありがちですが、その前に配られたスナックが日本のあられだったのは虚を突かれました。

 とりあえずこれで一息ついたところで、機内誌を手に取ります。冒頭のCEOの挨拶は、自社内のダイバーシティと、それをどれだけに誇りに思っているか、という内容でした。大統領選挙まであと半月程、不安の消えない時期だっただけに、この価値観を大企業のトップが表立って打ち出せていることに、どこか安堵感を覚えたのは確かです。そんな感覚とともに、日本時間の出張第1日目は終わろうとしていました。

 

 目が覚めたのは、翌日、朝5時過ぎ……のはずが、到着地では日付は進まず昼1時過ぎです。時計の針を合わせてはみたものの、飛行機の中ではこれほど大きな時差があるのかないのか、まるで実感が湧きません。 

 

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 ほどなく、朝食なのか昼食なのかの配布が始まりました。もっとも身体的には2日目の朝なので、それなりの空腹感はあります。あっさり平らげるとその後は何があるでもなく、飛行機はサンフランシスコに着陸しました。

 到着後はお定まりの入国審査と通関。ただ初訪問の私には、いかにも屈強で目つきの厳しい係官と「当たり前」のものとして英語でのやり取りをするのが心理的な負担です。とはいえ変に緊張しているところを見せて不審がられたら一大事。何とか落ち着き払って……とはいきませんでしたが、怪しまれることはなかったようで、ついにアメリカに入国しました。

 

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 サンフランシスコではいったん到着口から外に出るので、再び荷物を預け、長い保安検査の行列に並んで、ようやく国内線の搭乗口へ。ここで飛行機を乗り継げば、目的地のポートランドにはその日のうちに到着できます。ただタイムテーブルは日本で慣れ親しんだ発着時間順ではなくアルファベット順。搭乗口を確認するのも一苦労です。タイムテーブルだけで戸惑うのですから、数日間とはいえアメリカの度量衡にはだいぶ混乱させられるのではないか。不安の種は尽きません。

 

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 そんな中、搭乗口で謎の日本料理っぽいカフェテリアを発見。大家なのか三浦なのかは分かりませんが、日本料理屋もいろいろあるものです。

 

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 新たに搭乗予定となったポートランド行は夜間のフライト。もう少し早く着きたかったのですが、乗り継ぎでトラブルがなかっただけでも良しとするしかありません。

 

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 ポートランド行の飛行機が入ってきました。ボーイング737-800のようです。今やすっかりお馴染みの飛行機で、ひどい(?)時には高知から羽田、さらに乗り継いでその先までB737-800、乗り継いだ先が国内だろうがウランバートルだろうがB737-800ということもありました。

 そして気になるのがセーフティビデオ。今回は別バージョンでしたが、それでもやっぱり、なんつーかアレなものでした。別型機バージョンならあるのでどうぞ。

 

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 「陽気なアメリカン」というステレオタイプが、私の中で拡大再生産されたのは、容易にご理解いただけるものと思います。

 ともあれ、飛行機は順調に飛んで順調にポートランド着。とはいえ時間が遅いのはいかんともしがたく、荷物を受け取って到着口を抜けたのは21時前でした。

 

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 夜のポートランド空港。アメリカでの日程がついに始まります。