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人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、酒には酔うてみよ。

2016年モンゴル版統一地方選挙、本日実施

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 モンゴルでは地方議会の選挙が4年に1度、全国一斉に行われます。今年は6月末に県・首都議会の選挙が国家大会議(国会)総選挙と一緒に行われていて、2016年10月19日、つまりちょうど今日の地方選挙では、地方の郡(ソム)、首都ウランバートル市の地区(ドゥーレグ)すべてで、議会の選挙が行われます。

 

 

 地方選挙は国政選挙ほどの注目は浴びにくく、日本で手に入る情報は非常に限られます。モンゴルの選挙管理委員会のウェブサイトや報道でも、正確かつ詳細な情報を得るのは簡単ではありません。それでも事と次第によっては国政や来年の大統領選挙の行方に影響する選挙なだけに、ここで分かる範囲のことを書いておこうと思います。

 

1. 全国の郡(ソム)、地区(ドゥーレグ)住民代表議会で行われる4年に1度の統一選挙です

 モンゴルでは国家・地方行政単位どちらの議会も4年に1度改選されます。これまでは夏に国会(国家大会議)、秋に地方議会(住民代表議会)の選挙が行われてきましたが、今年は地方のうち県(アイマグ)と首都の議会選挙が国会総選挙と一緒に行われたので、秋の選挙は郡(ソム)・地区(ドゥーレグ)議会の統一選挙になります。

 

2. 中選挙区制で行われるようです

 済みません、あいまいな表現で(汗)

 モンゴルの選挙法が今年の国会総選挙直前に改正され、選挙は必ず多数決原理で行われるとの条文が加わりました。比例代表制が認められなくなったのです。

 ですので、今回の選挙もモンゴル全土を選挙区に分割して行われます。その際は最小行政単位、つまり地方ならバグ、首都ならホローが基本単位となり、人口割合次第ではさらに選挙区を分割します。複数のバグないしホローを統合して選挙区にすることは法律で禁じられています。

 ちなみに、報道によればバグの数が1613、ホローの数が152 とのことです(複数選挙区に分割されたところがどれだけあるかは不明)。

 

3. 定数7282に対し15,212人が立候補しています

 上記の選挙区で争われる定数は合計で7282。これに対し、立候補者の数は15,212人です。このうち14,489人が単独政党、あるいは複数政党による同盟から出馬し、723人が無所属での立候補となっています。ただし、一部立候補取り消しの報道もあるので、実際はあと数十人減ることになるでしょう。

 

4. モンゴル人民党に一抹の不安。しかし民主党の態勢も整わず

 6月の国会総選挙で地滑り的勝利を収めたモンゴル人民党ですが、突如導入された完全小選挙区制に助けられた面は否めません。しかも選挙直後からの通貨トゥグルグ急落、IMFへの支援要請に向けた動きなど、経済難は覆うべくもありません。

 野党は現政権発足から今月31日で100日になるのを節目に、現政権への批判を強めています。加えて、地方選挙は中選挙区制で行われるという報道もあります。それだけに、人民党にとっては国会総選挙ほどの勝ち方は難しそうです。あまりに議席数が伸びないと、M.エンフボルド党首以下党指導部への批判も出てくるでしょう。

 ただ、最大野党民主党も問題含みです。総選挙の結果を受けてZ.エンフボルド前党首が辞任しましたが、後任が決まりません。党の全国組織も総選挙後に開催されたものの、結果の総括や新党首決定ができずに散会しており、党としてのまとまりには疑問を感じます。

 また、今回の統一選挙には民主党単独での参加に加え、地域によってはモンゴル人民革命党との同盟で候補者を擁立しているところもあります。こうなった経緯は明らかではありませんが、完全に単独で選挙に参加できるだけの態勢が整っていなかったように思えてなりません。モンゴル人民党への批判の受け皿として、民主党が果たせる役割は限定的なものと思われます。

 

5. 中小政党の再起はなるか

 6月の総選挙で、人民党・民主党の二大政党以外の獲得議席人民革命党が1、無所属が1のみ。中小政党にとっては壊滅的な結果でした。それだけに、地方選挙で何としても再起を図らなければなりません。

 現時点で、二大政党以外で脚光を浴びている勢力はありません。とはいえ、ここで存在感を示しておけば、次の国政選挙に望みが繋がります。人民革命党を除けば、現時点で次に参加可能なのは2020年の国会総選挙です。2017年には大統領選挙がありますが、国会に議席のない政党・同盟が候補者を立てることはできないためです。ですが、二大政党に内紛が生じ、党を離脱した国会議員が出てきたとしたら、彼らを受け入れることで可能性が生まれます。敵失待ちではありますが、2010年に旧人民革命党が人民党と現人民革命党に分裂した例もあります。今後の党内の権力闘争、あるいは経済運営次第で政権批判が強まり、党の求心力が失われる事態があれば、俄然現実味が高まってくるシナリオです。

 

 ここまで述べた通り、今回の地方選挙は結果次第で国政の展開が変わってくるでしょう。最終結果が出るまで日数がかかるようですが、現地報道を引き続き追っていきます。