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人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、酒には酔うてみよ。

2016モンゴル国会総選挙一口メモ(4)モンゴルの政党:1. 民主党

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 モンゴル国会総選挙一口メモ、今回からは総選挙に参加する政党・同盟のうち、前回2012年の選挙で議席を獲得した政党を見ていきます。最初は、現在の国会最大政党で与党第一党の民主党から。

 

 

 1. モンゴル民主化運動の流れをくむ政党です

 モンゴル民主党は同国での民主化運動の主導者を中心とする勢力が2000年に大同団結して結成された政党です。

 モンゴルは1921年の人民革命を経て、1924年モンゴル人民共和国の成立を宣言、以後ソ連の援助の下で60年以上社会主義政権が続きました。しかし、1989年に東欧諸国の民主化が相次ぐと、モンゴルでも民主化運動が発生します。発端となったのは、ウランバートルの中央にあるスフバータル広場(現チンギス広場)で同年暮れに突如起こった非合法デモでした。その中心となった人物が、トップ写真の銅像となっているゾリグ氏です。

 そして運動は翌年に入ってさらに拡大。結果として、当時の独裁政党だったモンゴル人民革命党(現在も同じ名前の政党がありますが、ちょっとややこしい事情があるので後日解説します)が一党独裁を放棄、複数政党制による自由選挙が行われるようになりました。

 その後民主化勢力は複数の政党に分かれてしまい、1992年の総選挙でモンゴル人民革命党に大敗を喫します。しかし、1996年の総選挙では「民主連合」同盟を構築、人民革命党に勝利し政権を獲得しました。ですが、その後の政治混乱や経済失政により求心力が低下すると四分五裂、人民革命党の復権を許してしまいます。そして、2000年には総選挙で旧「民主連合」同盟系の獲得議席が1つのみという壊滅的打撃を蒙りました。各勢力が1つの政党として統合されたのは、このような背景があります(ただし、民主党に加われなかった勢力もあります)。

 

2. 2012年総選挙で比較第1党に、連立政権を樹立。しかし……

 上記の経緯で誕生した民主党は、2004年の国会総選挙でモンゴル人民革命党と同数の議席を獲得しました。その後しばらく選挙では伸び悩みましたが、2009年の大統領選挙でエルベグドルジ候補が当選すると、2012年の国会総選挙で初めて第1党の座を獲得しました。ただ、このときは過半数の議席を得ることができなかったため、モンゴル人民革命党から改称したモンゴル人民党(すいません、この辺ホントにややこしいんです。後のエントリで解説します)以外の会派と連立政権を樹立、首相には民主党内の有力派閥「北極星」を率いるアルタンホヤグ氏が就任しました。民主党は同年の統一地方選挙でも勝利、2013年にはエルベグドルジ大統領が再選と、盤石な体制を築くかに見られました。

 しかし、アルタンホヤグ政権は連立政権や民主党内の足並みの乱れから、2014年に国会で首相解任案が可決、あっさり倒れてしまいます。その後は同党のサイハンビレグ氏を首相として人民党の加わった大連立政権ができたり人民党が外れたり、連立政権を構成する政党が政権離脱後の人民党に色目を送ったり自滅したり、以後のエントリでも述べますが、しっちゃかめっちゃかの状況で国会総選挙に臨むことになりました。

 

2. 支持が比較的強いのは首都ウランバートル

 上にも書きましたが、民主党は元々がウランバートルで始まった民主化運動を始原とするので、遊牧地域よりもウランバートルで支持される傾向が見て取れます。2012年の総選挙ではウランバートルに割り当てられた14議席のうち10議席を獲得、2013年の大統領選挙でもウランバートルでは民主党エルベグドルジ候補が他の候補を圧倒しています。

 モンゴルでは民主党モンゴル人民党が二大政党となっていますが、政策面での違いは意外にあやふやで、右派だとか左派だとか中道だとか、簡単には言い難いのが実際です。そんな中でも、歴史的経緯に基づく支持基盤の違いは、あるにはあります。

 

5. 2016年総選挙は苦戦?

 そして迎える今年の総選挙。世論調査の結果が入ってこないので、客観的な見通しは立てにくいのですが、民主党は苦戦が予想されています。

 見通しが暗い最大の理由は経済停滞です。2011年に17.5%という経済成長率を記録したモンゴルですが、資源価格低迷や最大の輸出先中国の経済落ち込みの影響を受け、2015年の経済成長率は2.3%(予測値)まで落ち込みました。この間に輸出も激減すれば外国直接投資も壊滅的状況となり、鳴り物入りで登場した外債「チンギス債」の償還も控えています。各種調査・報道を見る限り、サイハンビレグ首相には個人的な人気があまりなさそうです。選挙制度改定によって中小政党に食われる可能性は非常に小さくなったものの、モンゴル人民党との対決を考えると、予断を許さない状況です。

 で、そのモンゴル人民党とはどういう政党なのか?似たような名前のモンゴル人民革命党とややこしいのは何とかならんのか?結論から先に言うと何ともならんのですが、その辺はエントリをあらためて。

 

3710920269.hatenablog.jp

 

 

 なお、モンゴルの国会総選挙については、過去のエントリもぜひご参照ください。

 

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