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人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、酒には酔うてみよ。

2016モンゴル国会総選挙一口メモ(1)モンゴル国の国会「国家大会議」

モ国

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 今月29日にモンゴル国(以下「モンゴル」)の国会に当たる「国家大会議」の総選挙が予定されており、今日11日からはテレビ・ラジオでの宣伝放送も解禁されました。日本ではあまり注目されてはいませんが、日モ間では今月7日に経済連携協定(EPA)が発効、今後経済関係の拡大が期待されるだけに、決して他人事ではありません。

 そこで当ブログでは今日から数回に分けて、不定期で今回の総選挙に関する簡単な解説をお送りします。初回はモンゴルの国会「国家大会議」についてです。ただし、分かりやすさを優先するために、多少厳密さを犠牲にした部分はありますので、その点はお含み置きください。

 

1. モンゴルの国会は一院制

 日本とは異なり、モンゴルの国会は「国家大会議」*1単独で構成されます。文献によっては「国家大ホラル」などと訳されますが、モンゴル語の「ホラル」が日本語の「会議」に相当するので、同じことです。

 

2. 国家大会議の議席数は76

 国家大会議の議席数はモンゴル国憲法で76議席と定められています。ということは、過半数を取るには39議席が必要になります。またモンゴルは大統領制を採っており、大統領には法案等に対する拒否権が認められているのですが、国家大会議は3分の2以上の賛成でこれを覆せます。計算すると、51議席あれば、大統領の決定を抑えることができることになります。

 76議席というと少ないと思われるかも知れませんが、人口比率を考えてください。モンゴルの人口は300万人強、それで76議席です。これを基に1議席当たりの人口を計算し、さらに日本の値と比べてみましょう。

 

3. 現在の国会制度は1992年にスタート

 モンゴルの国会もかつては二院制でした。社会主義時代(実はモンゴルは世界で2番目に生まれた社会主義国家だったのです)には人民大会議と人民小会議に議会が分かれていたのです。ただ社会主義国家の常として、選挙は単一候補制。われわれが当たり前に享受している複数候補による競争はなく、立候補者に反対票を投じるのも現実には難しかったため、立候補者に信任を与えるためだけと言って良いぐらいのものでした。また、人民大会議は最高議決機関と定められていましたが、常設機関として動いていたのは人民小会議の方です。

 ところが、1989年に民主化運動がスタート、翌年に社会主義体制が放棄されると、複数政党・候補者の立候補が可能な自由選挙が史上初めて行われました。議会の名前も国家大会議と国家小会議と改められたのです。その後1992年に現在の憲法が制定されると、国家小会議が廃止され、国家大会議も議席数を大幅に削減(430→76議席)されて再スタート、その後は定期的な総選挙を経て現在に至っています。

 

 次回はその選挙制度について。

 

3710920269.hatenablog.jp

 

 なんですが、これがまた……

*1:モンゴル語をローマ字アルファベットで表記するとUlsyn Ikh Khural。もっとも表記方法は複数あるんですが、ここではモンゴル国政府の定めに従っています。