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2016.6.5都市対抗野球大会四国2次予選準決勝第2試合@春野観戦記

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 昨日から始まった第87回都市対抗野球大会四国2次予選。本来なら今日が決勝になるはずが、前日第2試合が雨で中止になったため、今日に順延になりました。対戦は地元四国銀行高知市)対JR四国高松市)です。

 

 

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 四国銀行側の応援幕。

 

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 対するJR四国は統制のとれた応援団が集結。都市対抗は社会人野球では最大のイベントですし、こと3塁側に関してはかなり力の入った応援です。

 

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 本日のスタメン。

 

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 負けたら終わりの2次予選、いよいよ開始です。

 

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 四銀の先発は菊池大。初回は難なく抑えます。

 

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 一方、JR四国の先発は松田。2アウトまでは取りましたが、そこから四銀打線が一気に攻め立てます。

 

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 ヒットと四球で作った1, 2塁の場面で、相原がタイムリーでまず1点。送球が逸れる間に走者が進塁し、なおも2, 3塁とチャンスが広がります。

 

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 ここで小林がきっちり三遊間を破り、1点追加。

 

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 続く赤松はライトにライナー性の当たりを飛ばすと、これがグラブをはじいて2点追加。いきなり四銀が4点のリードを奪います。

 

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 ここでJR四国は早くも松田を諦め、リリーフに藤川を投入します。その藤川はいきなり2塁への牽制、赤松が引っかかってアウトになります。投手交代後ゼロ球でイニングが終わると、四銀優位と見られた試合が突如暗転しました。

 

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 2回表、菊池大が先頭の佐藤を追い込みながら歩かせたのが惨劇の幕開けです。神原のヒットに続いて上野翔がレフト線への2塁打で1点。

 

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 その後アウトを1つ取り、松下の犠牲フライで2点目。ただ2アウトを取ったことで、落ち着いたかと思われました。

 

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 ところが、続く西岡にはタイムリー。

 

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 さらに四球を出してしまい、2番野尻のタイムリーでついに同点とされます。

 

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 あげく小林のゴロをファースト赤松がトンネル。思わぬ形で一挙に逆転されてしまいました。

 

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 悪い流れは3回も続きます。菊池大がそのままマウンドに上がると、ヒットとエラーで1, 2塁。ここでようやく岸本に投手交代となりましたが、4失点で流れを断ち切ったJR四国と比べると、結果として決断の遅さが露呈する形となりました。

 

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 後手に回った四銀をJR四国はなおも攻めます。2死1, 2塁から西岡のタイムリーで1点を追加。

 

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 その後、5回にはまたも2死1, 2塁から小林のタイムリーで加点。中盤の時点で勝負あったかと思われました。

 6回、四銀は3番手投手に亀岡を起用。無失点に抑えて反撃を待ちますが、裏の攻撃は主軸があっさり2アウト。反撃の糸口が見えません。

 

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 ところが、ここから流れが急転します。ヒット2本と四球で2死満塁とすると、9番谷村がライト前に2点タイムリー。それまで拙守を連発していた谷村でしたが、ここで汚名を返上しました。

 

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 なおも四球を出した藤川をJR四国は降板させ、マウンドには田内が上がります。その田内は菊池高を相手に3-2まで持ち込まれつつ、なんとか空振り三振を奪います。ただ、1点差に迫ったことで四銀の勢いが完全に戻りました。それまでは陰鬱な四銀側スタンドも徐々に盛り上がっていきます。

 続く7, 8回、四銀亀岡は得点圏に走者を背負いながら無失点。9回にはこの試合初の三者凡退に抑え、流れは完全に四銀に傾きました。

 あとは、その流れをどうつかむかです。9回裏、先頭の田中がヒットで出ると、2番菊池高には犠打のサイン。堅実という人もいるでしょうが、1得点では試合に勝てません。いぶかしく思っている間に、田中が盗塁成功。それでもバントのサインは変わらず、2ストライク後もスリーバントの指示。はたして4球目を転がすと、これが野選を誘います。3塁への送球がセーフとなり、一気に無死1, 3塁のチャンスが転がり込んできました。

 一打同点、長打なら逆転の場面。ところが、3番平山の打球は力のないピッチャーゴロでした。ただ3塁走者が気になったか2塁には投げられず、アウトになったのは打者走者のみ。1死2, 3塁となって打者は4番山中。ここでJR四国は敬遠で塁を詰め、封殺・併殺両睨みの戦術に出ます。

 

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 しかし、5番相原が3球目に放った打球は三遊間を破っていきました!ついに四銀が追い付き、なおも1死満塁、完全に押せ押せのムードです。

 

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 そして6番小林の打球はライトへ!文句なしの犠牲フライとなって3塁走者が生還しました!

 

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 9回逆転サヨナラで四国銀行が勝利、破れたJR四国は2年連続都市対抗出場の夢が絶たれました。出場枠1のみを懸けて争うノックダウンの予選、グランドにはあまりにもはっきりした明暗が同居します。

 

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 最終スコア。四銀からすればお世辞にも褒められた試合ではありませんが、勝てば全てが免罪されるのが予選というものです。

 

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 試合終了後のグラウンド整備。悪夢の逆転サヨナラ負けの後でも、そのままグラウンドを去ることはできません。これはこれで残酷な話かも知れない、とはふと思いました。

 

 ところで、この試合の8-7という最終スコアです。これを見ると、小説やドラマのタイトルにもなった「ルーズヴェルト・ゲーム」を想像する人もおられることでしょう。これがアメリカの元大統領フランクリン・D・ルーズヴェルト(FDR)の話に由来するという説明も、しばしば目にされたことと思います。

 ところが、アンサイクロペディア経由で調べてみると、なんか違う。おそらくこの話の元となったFDRの手紙にはこうあります。

 In short, my idea of the best game is one that guarantees the fans a combined score of not less than fifteen runs, divided about eight to seven.

(拙訳:簡単に言うと、私が思う最良の試合とは、両軍合わせて15点以上、だいたい8-7ぐらいのスコアをファンに請け合うものです)

 

 出典はこちら。

 

www.presidency.ucsb.edu

 

 ただ謎なのが"guarantee"。とりあえず訳したのですが、「保証する、請け合う、約束する」という本来の意味を考えると、なぜここで出てくるのかが分かりません。必ず炎上するピッチャーでも出さないといけないのでしょうか?たぶん私が誤解してるんだと思いますが。

 ともあれ、アンサイクロペディアでも書いてましたが、この原典と、一般に流通している説明を比べてみるのも、興味深いかも知れませんね。