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人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、酒には酔うてみよ。

高知交響楽団第156回定期演奏会に行ってきました

 昨日かるぽーと大ホールで開催された高知交響楽団の第156回定期演奏会に行ってきました。

 

 今回はベートヴェン・プロジェクトによる交響曲全曲演奏の8回目、一方でオープニングとサブメインも有名どころを持ってきました。むしろポスターやパンフレットを見ればサブメイン推しという感じです。

 

(オープニング)ヴァーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲

 オープニングにふさわしい華々しい曲。ヴァーグナーに詳しくなくても、聴いたことがあるという方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私もそうですし、実はかなり昔に演奏に参加したこともあります。楽劇自体の説明は各所にあるのでここでは繰り返しませんが、「マイスタージンガー」という名前だけ聞いて、ヒーローものとかロボットモノのアニメみたいでカッコいいと思ったら歌合戦の話だった、という経験をしたのは私だけではない、と思いたいです。

 今回もベートヴェンがメインということで、全曲対向配置。ただ座った席の問題か、あるいはコントラバスプルトが多かったせいか、第1ヴァイオリンが押されている感じは受けました。「プルト」というのは本来譜面台のことだそうですが、要は人数の問題。この日は第1ヴァイオリンが5プルト(1プルト=2人)だったに対し、コントラバスが3.5プルトだったのですが、コントラバスなどの低弦はヴァイオリンよりはるかに人数が少なくなることも多く、2プルトでも良いぐらいじゃないか、とすら思いました。ただ、それでステージに乗れない団員が出てくるのは望ましくないですし、難しいところです。

 ともあれ、華やかな曲をきちんと盛り上げて、以後のプログラムにつなげられたとは思います。それにしても、最後から2小節目を繰り返す(多少変えてはいるでしょうが)のは、もはやお約束の世界なのでしょうか?私が演奏した時もそうでしたが。

 

 サブメイン:ビゼー/歌劇「カルメン」より抜粋

 こちらも、クラシック好きならずとも、部分部分を聴いたことのある人は多いであろう有名曲。ただし今回は組曲ではなく「抜粋」。なのでオーケストラだけではなく、合唱や独唱、舞台外のソロ演奏なども登場するため、演奏会形式のオペラに近い形となりました。

 個人的にはこういう試みは大歓迎。オペラ関係は全く疎い、というか食指がほとんど動かない私ですが、たまに観る(聴くだけじゃないですよね)と新鮮です。今回は丸の内高校の教員・生徒が独唱・合唱で参加しており、高知の音楽文化の底力を示した印象はあります。オペラを通しで見られる自信がないだけに、今回は貴重な機会を得ることができてありがたかったです。

 

 メイン:ベートーヴェン交響曲第8番

 ベートーヴェン交響曲のうち、第7番と第9番に挟まれている上、挟まれてる感ではどうあがいても第4番に勝てないという悲しい宿命を背負った作品。そのためか、あまり演奏機会を目にすることはないのですが、ベートーヴェン本人は非常に気に入っていた作品だそうです(とパンフレットに書いてました)。

 ただこういう作品だけに「見せ場」に乏しい感は拭えず、上手くいっても「良くまとまった」となり、演奏がきまった感じは印象付けにくそうに思われます。きっと大変はずなのに、それができても印象に残りにくい、というか。今回の演奏もそういう難しさをついつい感じてしまったところで、有名どころとはまた違う難しさのある曲、ほんっっとお疲れ様でした、というのが感想です。

 アンコールはJ.S.バッハ管弦楽組曲第3番」のあと、合唱・独唱者も加わっての岩井俊二作詞・菅野よう子作曲「花は咲く」。次回がいよいよ「第九」なだけに、ヴォーカルが入って演奏会が終わると、そこへの期待もつながります。

 

 あと、これは完全な余談ですが、「カルメン」と「マイスタージンガー」の前奏曲の組み合わせで連想したのが、マンとライゼンシュタインによる「オペラを偽造しよう」(Let's fake an opera)という作品。タイトルからしてアレですが、これは冗談音楽の祭典、ホフナング音楽祭の第2回で披露されたもので、タイトルもブリテンの「オペラを作ろう」(Let's make an opera)をもじった(ですよね)もの。

 で、この冗談オペラの前奏曲が、冒頭がそのまんま「カルメン」の前奏曲で、ひとしきり盛り上げたところで「マイスタージンガー」に突然変わって大爆笑、というもの。今はCDの入手が困難になりましたが、たまに中古が回っているので(ただし第1回から第3回のセット)、ご関心のある方は聴いてみられれば。と、本当に関係ない話で済みませんが……