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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2016年春の北国新規路線の旅(7)北海道・東北新幹線で首都圏へ

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 14時41分、はやぶさ26号は予定通り新函館北斗を発車しました。行先は東京、青森でも新青森でもなく東京、新幹線だから当然とはいえ、昔を思えば驚異的なことです。

 

 駅を出たところで車掌のアナウンス。開業当日ということで、乗客や関係各位への感謝の言葉と、安全運転への誓いが述べられていました。不祥事が相次いだJR北海道、ここで失敗すれば自社ばかりか日本の信用にも関わりますし、まして乗客の安全に関わるのは言うまでもありません。この日の言葉をずっと大事にしてほしいものです。

 さて、新幹線は順調に速度を上げていきます。青函トンネルの制限速度がクローズアップされていますが、新函館北斗を出てしばらくすると、新幹線らしい体感速度に達したようです。真新しい側壁の向こうには、函館の市街地が見えます。

 

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 って、写真にすると途端に市街地が見えなくなりましたが、函館山は、何とか右手奥に見えています。

 突き出た岬の根元という立地から、海上交通の便利さで発展してきた函館市。しかし新幹線開業に際しては、その立地が仇となった感は否めません。北斗市や周辺町村も含め、街の中心が今後どう移動するのかが気になります。

 

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 木古内に停まった新幹線が再び発車すると、青函トンネルを挟む海峡線に入ります。海に向かって開けていた土地から、雪に覆われた風景へと車窓は変わります。

 

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 消えつつあるも、残る雪。春は顔を出したばかりです。ここから幾度か短いトンネルを抜けると、新幹線は青函トンネルに入りました。

 この区間は先述の通り在来線との供用で、最高速度も抑えられています。フル規格の新幹線としては似つかわしくない速度に違和感も覚えますが、かつて客車や在来線の特急が走っていた頃とさほど変わらない感覚もします。その感覚が、トワイライトエクスプレス、日本海、スーパー白鳥、そしてはまなす……これまで海峡を潜ってきた時のさまざまな思いを蘇らせます。

 いずれこの区間でも、新幹線がフルスピードで走れる日が来るのでしょう(それがいつかは分かりませんが)。そうなったとき、今度は新幹線としてしっくりくる反面、今まであり得なかった速度で海峡線を走っていることに違和感を覚えるのでしょう。その時、この区間は私にとって、昔とは断絶したものとして存在しはじめるのかも知れません。

 

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 今はまだ長い長いトンネルをようやく抜け、新幹線は本州に上陸、奥津軽いまべつに停車します。この後しばらく進んだところで、在来線の線路と別れれば、新幹線は待ってましたとばかりに速度を上げてたかと思うとまた減速、新青森に到着しました。

 ここまで来れば、JR東日本の新幹線にとって東京までは勝手知ったる路線、そして盛岡を出れば時速320キロの国内最速区間。普段の旅では並行在来線の鈍行を乗り継いでいる私にとって、いつもなら乗換駅の一ノ関を一瞬で通り過ぎたかと思えばあっという間に仙台停車、すぐさま発車したかと思うと、これまた普段ならあるいは慌てて、あるいはのんびりと普通列車を乗り継ぐはずの福島、郡山、宇都宮もすぐに去ってしまい、気がつけばあまりにも呆気なく目的地付近まで。落ち着きもなく列車を降りる準備をすることになったのでした。