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人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、酒には酔うてみよ。

2016年春の北国新規路線の旅(1)函館へ

てつ

 北海道新幹線が開業する。そりゃ、乗りにいかないとなぁ……とは思っていました。ただ、それは新たな鉄道ができることへの高揚ではなく、むしろ義務感のような思いでした。

 

 ようやく青函トンネルを渡り、北海道に延びた新幹線。しかし、その(少なくとも差し当たりの)メリットと代償を天秤にかけると、どうしても素直に喜べない私がいました。

 新青森までは定期列車がほぼ1時間に1本あるのに対し、新函館北斗から新青森の間は1日13本、そのうち東京行は10本だけ。さらに最も期待されるはずの所要時間短縮も、青函トンネルでの貨物列車とのすれ違いという課題が未解決で横たわったまま。また新幹線で直通になれば乗り換えなしで便利、と言いたいところですが、東京方面からで言えば新青森の乗り換えが新函館北斗に移っただけで、青森・函館間は直通だったのがむしろ乗り換えが2回必要になる始末(もっとも、これは地理条件上致し方無いのですが……)。

 その一方で、新幹線と引き換えに姿を消すもの、変えるものがあるのも、否定できない事実です。例えば、北斗星カシオペアトワイライトエクスプレスはまなすという魅力的な夜行列車たち。個人的な話をすれば、このうち上野発の2つの列車に乗る夢は夢のままで終わってしまいました。さらに先程の話を加えるならば、青森・函館間の特急「スーパー白鳥」の運転終了も、地元の人からすれば痛手かも知れません。

 また、新幹線の工事に伴って、かつては見学客を受け入れていた竜飛海底吉岡海底の両駅と、北海道の地上で南端の知内駅も営業終了。そして並行在来線となる五稜郭から木古内の間は第三セクターに移管。この間は貨物列車も走るため、そこからの収入が期待できますが、かつてのような豪華寝台特急に頼れないのは厳しいところです。

 さらに、新幹線が走り始めるのと同じ日に、道内のローカル線では普通列車が減らされ、いくつかの駅が廃止されます。とても経営体力があるとは言い難いところ、事故や不祥事が相次いだJR北海道、華やかな話題の裏で、在来線は切羽詰まった状態です。

 新幹線がドル箱になってくれれば、事情は少しなりとも変わったのかも知れません。ですが、収支予想はなんと赤字。諸事情はありますし*1、札幌まで延びれば自体は変わる可能性ももちろんありますが、当面は稼ぎ頭どころか稼ぎすら覚束ないでは不安が残ります。

 そんなことを考えていると、はたしてこの新幹線は、それと引き換えに失われるものに値するのか?考えるだに疑問は膨らみます。それでも開業する鉄道には乗るのが乗り鉄の面目、早々に予定を調整していたのですが、直近では26日ぐらいしか都合のつきそうな日がない。ただ北海道新幹線は全席指定席、開業するその日の指定券はすぐに売り切れるだろう。

 たぶんダメだと思いつつ、予約状況を調べてみると、あろうことか、一番列車の全席とグランクラス以外は満席表示などどこにもなく、残席が僅かなのを示す△が1つだけ。安堵よりも拍子抜けと不安が大きくなりながらも、迷わず予約。開業当日の新線に、初めて乗る機会を得ました。ただ、喜んでいいのやら……

 

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 高知から函館までのルートは迷いましたが、高速バスと飛行機を乗り継ぐことに。青春18きっぷのシーズンですが、休みがない以上使っている場合ではありません。

 高知を発つ夜行バスで大阪に行き、モノレールに乗り換えて大阪空港へ。道路が込んだときのことを考えて、早めのバスにしたため、空港に着いてからだいぶ時間があります。

 

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 ふらふらと歩いていると、こんなキャラクターを見かけました。

 

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 大阪空港のマスコットキャラクターそらやん」。関西はゆるいというより脱力系のマスコットが多いような印象がありますが、どうか。

 

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 空港で時間があるとなれば、展望台で飛行機見物が鉄板の時間の潰し方。大小の飛行機が離着陸する傍らで、ボーイング787、ドリームライナーを見かけました。マトモに見るのはおそらく初めてです。こと飛行機見物に関しては、来た甲斐があったとなります。

 

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 大阪空港と言えば、大都市の空港では残り少なくなった、反転式の行先表示。地方空港と違って飛行機が多いだけに、頻繁に変わるのを眺めているだけでも楽しいものです。

 ……といえば聞こえはいいですが、実際は乗客が多くて入場制限がかかっており、保安検査に進めないのが現状。さらにまつこと15分以上、ようやくゲートに進み、メールチェックでもと思ったところ、すぐに搭乗開始の案内。ギリギリまで粘ってから搭乗すると(定時運航には協力したので念のため)、読みかけのままだったテキストを読んだり、そのおかげか早々に睡魔に囚われたりして、新線乗車の気分も湧かないまま、気がつけば飛行機は津軽海峡を越えていったのでした。

 

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 3年ぶりに降り立った函館空港。結構な長旅のはずだったのですが、はるばる来たぜ、という定番の感覚はまるでなく、そそくさと駅行きのバスに乗り込みます。