今回の旅の最後の目的が、仙台で12月6日に開業したばかりの地下鉄東西線に乗ることです。小牛田からの電車で終点仙台に出て、地下鉄の駅に急ぎます。
仙台で使える時間は1時間あまり。JR仙台駅の改札を出て、急いで地下を上り下りしながら、何とか予定の電車に間に合いました。
東西線は都営地下鉄大江戸線や大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線・今里筋線と同じ、軌道上を走行するリニアモーター式の地下鉄。車両も両線同様小型になっています。この方法だと従来の電車よりもきつい坂を登りやすいほか、車両を小型化することでトンネル等も狭くて済むようになり、建設費を削減できると言われています。
真新しい車両には開業を祝うステッカーが貼られています。東日本大震災を乗り越えての完成、開業です。
運転台。従来のように速度計やブレーキの圧力計が並ぶのではなく、ほとんどがパネル化されています。他のリニアモーター式地下鉄同様、東西線もワンマン運転になっています。
仙台から10分あまり、途中直角に近いカーブもいくつか曲がりながら、荒井駅に到着しました。外壁がなかなか独創的な駅舎です。
駅が開業したばかりとあって、周辺はまだ空き地が目立ちます。とはいえ、地下鉄ができるのをきっかけに、駅前ではマンション建設が始まっているようです。まだ更地の場所もあれば、向こうにはクレーンがあります。
もっとも、仙台の東部と言えば太平洋岸に近くなるわけです。そして、荒井駅のある若林区は、東日本大震災の大津波で甚大な被害を受けた地域でもあります。
その辺、不安な向きもないのだろうかとは思うのですが、地図で見れば荒井駅は仙台東部道路より内陸側。海沿いというには距離がありますし、東日本大震災でも一部で津波を堰き止めた東部道路の内側ならば、過剰に恐れるには及ばない、ということでしょうか。
ともあれ、時間もあまりないので、荒井始発の電車に乗るべく電車に戻ります。次に私がこの駅に来る機会があるかは分かりませんが、もしあるとすれば、今とは全く異なる光景が拡がることでしょう。
さて、荒井からは八木山動物公園行の電車に乗ります。30分近くの行路の後半に差し掛かると、電車は山沿いを登っていき、ときに地上にも顔を出します。そして青葉山からおおきくうねったところで、終点の八木山動物公園に到着します。
駅に着くと、動物公園だけあって動物たちの大きなパネルが出迎えてくれました。
駅がある地下2階からエレベーターで5階まで上がると、屋上庭園に出ることができます。
屋上は動物公園のすぐ前。流石に今日は見に行く余裕はありません。
八木山動物公園駅は開業と同時に神戸市営地下鉄の総合運動公園駅(標高106メートル)を抜き、日本一標高の高い地下鉄駅になりました*1。
屋上からは仙台の市街地が一望できます。方角のせいもあるでしょうが、あまり高い建物が目立たないので、天気が良ければ太平洋まで見通せそうです。
ただ、そんなのんびりと眺望を味わっている場合ではないですし、それは機会を作って動物公園ともども楽しめば良い話です。
なにはともあれ、これで東西線も乗り通したわけで、今回の旅の目的はほぼ達成。あとは高知に帰るのみです。動物たちのイラストに再会を期待しつつ、仙台へと引き返します。
仙台からはひたすら在来線を走ります。まずは福島行の普通電車。
福島からは黒磯行。この辺りから同業者が乗り合わせるのを見かけるようになります。関東から関西から、18きっぷを持った見知らぬどうしが自分の旅について語っています。ただ流石に高知ばかりか四国からの人はいないようです。
黒磯からは宇都宮行。少し前まで東京近辺を走っていたはずの電車が移ってきていました。
さらに宇都宮で乗り換え。ここまで来ると、関東の方にはお馴染みの電車ですね。
宇都宮からは尾久で乗り換え。東北東京ラインができたおかげで、乗り換えが本当に便利になりました。
尾久のホームからは、ビルの屋上にこんなものが。ブルートレインが過去のものになった今、かつての栄光の名残を残しています。
尾久からは沼津行の最終に乗ります。これであとは座れさえすれば楽に一直線。
なのですが、茅ケ崎で小田原行の湘南ライナーがやって来たので乗ることにします。
神奈川の東海道線ユーザーにはきっとお馴染み、カモメのイラスト。
湘南ライナーは東京近辺から乗るには整理券が必要なのですが、茅ケ崎からは追加料金なし。タダで特急電車に乗れるわけです。しかも小田原に先に着くので、駅で明日の朝食を買う時間ができるのもありがたいところ。
はたして小田原で無事買い物を済ませ、再び沼津行に乗り込んで無事到着。
ここで一泊して、明日は5時発の始発電車に乗り込む予定です。