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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2015年冬・北からの帰還(6)いわてから仙台へ

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 二戸からはIGRいわて銀河鉄道に乗り換え。ここからはすべて在来線で高知に帰ります。

 

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 まずは移管された並行在来線IGRいわて銀河鉄道で盛岡まで出ます。

 IGRいわて銀河鉄道は当然ながらJRとは異なる第三セクターで、青春18きっぷは使えません。なので、実のところ、八戸から盛岡まで東北新幹線で出たとして、二戸から乗り換えるの比べたら、料金はほんの僅か高くなるぐらいです。

 ですが、どうせなら地元にお金を落としたいですし、18きっパーの意地として、なるべく鈍行を使いたいですし……ねぇ←無理やり同意を求めるな

 

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 IGRのキャラクター。2015年の11月に登場したばかりだそうです(参考ページ・PDF形式)。

 

 

 

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 盛岡行の電車。青い森鉄道もそうですが、基本は東北地方を走るJRと同じような仕様の車両です。

 

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 電車は雪景色の中を走ります。ワンマン運転とは言いますが、実際には運転士の他にアテンダントが乗務していています。

 最近では地方の鉄道でアテンダントを見かけることが多くなりました。一般的には、アテンダントは切符の発売や乗客への案内、安全確認の補助等を行っているようです。ただ二戸からの電車に乗って見ていると、乗り込んできたお年寄りに声を掛けて、病院に行くのかどうか尋ねています。

 声掛けまでするのか、と思っていると、ふと車内吊りの広告が目に入りました。それによれば、IGRいわて銀河鉄道は「IGR地域医療ライン」と銘打ち、盛岡の総合病院を受診する乗客をサポートするとのこと。そのサポートが、アテンダントの主な業務の1つになっているのです。

 

www.igr.jp

 

 病院に通う高齢者は、地域の公共交通機関の上得意です。逆に、鉄道でもバスでも公共交通機関がなくなってしまえば、病院への受診もままならない人々が出てくるのです。それだけに、何とか定着して、他の事業者にも波及できれば面白い試みではあります。

 

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 電車は定刻通り盛岡到着。ここでJRに乗り換えです。

 

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 IGRの改札を出たところで、案内窓口に不動産屋が入っているのを見つけました。鐡道だけでは経営が苦しくなるばかり、他業種にも手を拡げているようです。

 100年以上前から、鉄道と不動産は切り離せない関係。ただ第三セクター鉄道で言えば、不動産業への進出は聞いたことがありません。それだけに、地域の公共交通機関の生き残り策として、成否が気になります。

 

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 さて、ここからはJRで高知まで。まずは一ノ関行の電車に乗り込みます。

 

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 盛岡から南下すること1時間半程で、一ノ関に着きました。

 東日本大震災があってから、この辺りではポケモントレインとSLが運転されるようになりました。気分を盛り上げるべく、駅にはパネルが置かれています。

 

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 一ノ関の駅舎。ここでも国体の垂れ幕が出ています。新幹線があるとはいえ広い岩手県、かなりの分散開催と言える気もします。

 

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 一ノ関駅の改札には、鉄道模型のジオラマがありました。

 

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 かつて東北本線の花形だった寝台電車。これに乗って上野から青森まで行ってみたかった。常磐線が全線復旧したら、ぜひイベントでもやってはいただけないものでしょうか……

 

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 こちらは国鉄型の在来線特急。陸奥路を駆け巡ったこの車両も、東北新幹線の延伸や時代の経過とともに、終焉の時を迎えています。

 

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 一ノ関からは小牛田行きの電車に乗り、宮城県に入ります。

 

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 ところで、鈍行の長旅で課題となるのが食糧調達。この日は乗り換え機械こそ多いものの、時間はほとんどのところで数分程度、買い物どころではありません。ただ一ノ関では何とか時間に余裕があったので、こんなものを買ってみました。

 とはいえ、食糧なら何でもいいわけではありません。わざわざ遠出してまで、どこでも買える食べ物を買う意味はないですし。一方で、18きっぷの旅は貧乏旅行ですから、ぜいたくをしたらかえって旅の気分を損ねる気もします(ってか、そもそもぜいたくなんてできない)。そんなわけで、旅情とコストパフォーマンス、そして何よりすぐに食べられること。この3つを満たせるものを選ぶのは、実は結構大変だったりします。

 

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 ともあれ、小牛田までは難なく到着し、仙台行に乗り換えます。ただ仙台に着いても観光のかの字もありません。地下鉄の新線に乗りに行かないといけないのです。それも急いで。