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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

【地域実習振り返りレポート(9)】現地報告会で地域での学びの成果報告(大豊町・2016年1月9日)

 今年度の「地域理解実習」で最後となる大豊町での実習は、第2学期の学びの成果を報告する現地報告会です。各実習地の先頭を切って、大豊町グループは9日に開催しました。

 

 

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 報告会が行われるのは、大豊町怒田にある公民館施設「ふるさと館」。随分と年季の入って一枚板の看板が掲げられています。

 

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 ふるさと館は 昭和10年まで置かれていた学校跡に建てられています。

 

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 学校の記念碑。当時は怒田をはじめ、付近の集落からも児童が通っていたと記されています。

 

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 今の小学校と比べると狭いですが、おそらく昔の校庭と思しき広場。集落の人の話では最近砂利が入れられたそうで、雨でぬかるむこともなく、車が入りやすくなりました。

 

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 報告会は学生側が主催するので、準備も学生が行います。ただ暖房を入れたばかりの広間は寒いこと寒いこと。上着を羽織ったままでないと厳しいです。

 

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 ともあれ、準備は進みます。座卓を組んだら座布団を置き、プロジェクタやPCの設定、地域の方々に出すお菓子やお茶の用意、すべて学生がするのが大原則なのです。

 その間に地域の方々が徐々においでて(いらして)きました。ワークショップのエントリでも書きましたが、天気が良い日の昼間なだけに、集まりが悪くなるのではと不安もありました。10人も来たら良い方では、という話もありましたが、フタを開けてみれば14名の方に参加していただきました。公共交通機関のない、近隣の集落からは山を上り下りしないとやって来られない、住民70名程の集落での話です。本当にありがたいことです。

 

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 さて、怒田での現地報告会の特徴は、他学部との共同開催であること。怒田では農学部人文学部の学生も実習を行っていて、今回まとめて報告を行うことになったのです。

 画像は農学部の実習報告。農学部だけあって稲の生育状況についての研究がテーマでした。農業の話は地域の方々にとって切実なものです。

 

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 こちらは人文学部学生の報告。農作業に加えて、怒田から高知市内に出て日曜市での商品販売の手伝いも行っており、泊り込みも含めた活動を行っています。

 

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 そして地域協働学部の報告。これまでの怒田での実習内容の紹介や、実習の中で学んだこと、さらにそれらを踏まえて、自分たちが今後取り組んでいきたい活動について、報告がなされました。この辺の詳細は、例によって学部サイトもご覧ください。

 

www.kochi-rc.jp

 

 各学部の報告が終わった後は、地域の方々と学生、教員の交流会。特に地域協働学部の学生にとっては、怒田での実習はまだ3ヶ月程度なので、地域の方々との本格的な交流機会は非常に貴重です。それに、同じ怒田で実習を行っていても、学部が違えば活動日が違い、あまり接点がありません。それだけに、この日は地域の方々や他学部の学生からお話を聞こうとする学生の姿が印象に残りました。逆に、学生や地域の方々からも、興味を持っていただける方が見られました。つまりは総じて盛り上がったわけで、個人的には報告よりもそちらの方が嬉しいところでした。

 さて、第2学期の授業「地域理解実習」で行われた大豊町での実習はこれで終了。2年次以降の実習地は学生があらためて決めることになるので、4月からはメンバーを入れ替えて進めていくことになります。

 そしてもっと大事なことに、2年次からは学生がそれぞれ実習地に根差した企画を立案、実施していくことになります。ただし、それらの企画は学生が勝手に行うわけではなく、地域の人々に説明し、参加してもらった上で実施し、その成果を実習地の人々に報告しなければなりません。企画の成否はさておくとしても、企画を実現させるだけでも、地域理解のみならず、お遊びではないホンモノの企画に必要な知識とスキルを学び取ってもらわないといけません。自分で書いていても気が遠くなりそうなミッションです。

 ただその前に、今度は学内での報告会が控えています。ただこれらも実習地の方々等が出席される予定で、学生や教員だけが参加するわけではありません。これまた大変なのですが、学生たちは現地報告会の経験を踏まえ、自分たちで報告内容を既に作りはじめています。はたしてどんなものができるか、今から期待しています。