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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

久礼で街歩き&津波避難タワーに登ってきました

 昨日は休みを利用して土讃線の鈍行旅に出てきました。首尾よく各駅を回ってからは、中土佐町は久礼の街歩きです。

 

 

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 街を歩けば懐かしい、あるいは懐かしいを通り越して初めて見る古い看板。

 

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 経年変化の具合には、流石に年月を感じずにはいられませんが、それでも今では貴重な看板です。

 

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 そして久礼と言えば大正町市場!

 

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 一般的な魚市場と違い、お昼を過ぎてからが魚や干物、お惣菜などが増えていきます。シーズンオフなので、ごった返すとまではいってませんでしたが、それでも観光客の姿は結構見かけました。

 

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 市場に魚が入る頃合を見計らって、遅めの昼食。高知に来るまで食べた記憶がないウツボですが、いまやすっかり馴染んでしまいました。

 

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 腹ごなしに歩こうと海辺に出てみると、何やら工事中です。

 

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 スロープが巻きついた円柱状の高い建物。海岸に建てられているからには、これは津波が来た時のための避難タワーです。

 

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 実際、スロープの入口には津波避難のピクトグラムが示されています。ただ、自身が来たわけでもないのに入口が開いています。

 

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 津波避難タワーの説明書きが掲げられていました。これによれば、久礼海岸で予想される津波の高さは最大で海抜13メートルに達するとのこと。一方、このタワーは一番上で海抜23.3メートル、2階でも16.7メートルあるのだそうです。

 

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  また、このタワーは普段から利用できるようにカギをかけていないとのこと。それで、先程のスロープも開放されていたのです。

 そう言えば、津波避難タワーは車や鉄道の車窓で見たぐらいで、実際に登ったことはありません。災害時以外は立入禁止というイメージを勝手に持っていたのですが、そういうことなら入っても問題はありません。はたしてどんなものなのか、上がってみることにしました。

 

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 タワーの中央には避難用のゴンドラが置かれています。エレベーターではなくゴンドラと書かれています。

 

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 ゴンドラの上部はこうなっています。一般的なエレベーターとは違ってカゴが閉鎖されていないので、ゴンドラと言われるとそうかと思います。ただ、流石に今乗るわけにはいかないので、周囲の階段で上がることにします。

 

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 2階まで上ると、防災倉庫がありました。災害時にはここを簡易トイレにするとのこと。それで2部屋に分かれているのでしょうか(男女別にできますし)。いろいろ考えて作られています。

 

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 ここで海抜16.7メートル。想定される最大の津波に対して、3.7メートルの余裕がある計算です。

 

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 ともあれ、普段上る分には海沿いの展望台のようなもの。久礼の海と海岸線が眼下に広がります。

 

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 タワーから見た久礼の街並み。2, 3階建ての家屋が並ぶ中で、円柱状の高い建物が突出しています。あれも避難タワーでしょうか。

 

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 目の前では、先程の工事中の柱が並んでいます。見ると遠くになるにしたがって低くなっています。避難用のスロープを作っているのでしょう。今のところ、車いす等で登れるスロープは細いものなので、これができればだいぶ利用しやすくなりそうです。

 

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 タワーは3階や屋上階もありましたが、とりあえずパスして地上に降りてきました。この日は風こそ穏やかでしたが、日差しが陰るとやや肌寒さを感じます。

 

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 久礼の有名旅館、黒潮本陣。日帰り入浴もできるそうですが、時間と交通手段の問題から今回は無理。というより、どうせなら泊まってみたいところです。

 

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 浜辺には漫画家青柳裕介氏の石像が建てられていました。雑誌への連載を持ちながら東京に居をおかず、終生高知で高知の海の人々を描き続けた氏の石像は、海をスケッチするかのように建てられています。

 

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 その横にはカツオの供養碑。この辺の発想はいかにも日本というか、高知というか。

 

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 歩いているとネコが出てきました。漁師町と言えばネコです。

 

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 人間を恐れる感じはまるでありませんが、関心があるわけでも無さそう。マイペースそのものです。

 

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 帰りがけにタワーを見上げてみます。

 このタワーが、海の幸に恵まれた街の、単なる展望台であり続けてくれれば……南海地震の予測は理解していて、腹は括っているつもりでも、そう思わずにはいられませんでした。

 

(参考) 中土佐町第1号津波避難タワー- 若竹まちづくり研究所