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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

シリーズ土佐の駅(19)若井駅(土佐くろしお鉄道中村線)

 窪川から土佐くろしお鉄道普通列車に乗り、一駅先の若井駅で降りてみました。

 

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 土佐くろしお鉄道窪川駅もそうでしたが、若井駅の駅名板も木を活かした作り。 ただ「予土線接続駅」と書いてはいますが、この駅はあくまで土佐くろしお鉄道の駅であって、予土線の列車は乗り入れているだけ。

 

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 若井から中村・宿毛方面。2つの路線が接続するのは、厳密にはこの線路の先にある信号場なのですが、乗客の乗り降りができないため、実際に乗り換えるのは若井駅か窪川駅になります。

 

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 ともあれ、JRの列車が毎日運転されている区間とあって、水色にひらがなというJR四国駅名標に、予土線駅ナンバリングもついています。

 

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  次に乗る列車まで、40分近く時間があります。小さな駅を出て、周囲を歩いてみます。

 

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 駅からの道を歩いた突き当りに、バス停を表すポールが立っていました。

 今風の接近表示はおろか、昔ながらの丸い看板もない、文字通り棒が一本あるだけの停留所表示です。

 

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 バスは週に1日、3, 4本だけ。通勤・通学の時間には運転されていません。月曜日、この地域で何があるのか、不思議な感じはします。

 

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 駅の反対側に出てきました。ホームがたった1つだけの駅ですが、築堤の上にあると堂々として見えるものです。

 

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 駅のすぐそばを四万十川が流れています。

 こんなところまで来たのか、「四万十川」という言葉には、そう思わせる重みがあります。

 

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 四万十川と言えば沈下橋。駅の近くにも架かっている……と思いきや、途中で途切れています。

 

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 ちょうど中央部がそっくりなくなっていて、岸には通行止めの柵が立てられています。

 

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 沈下橋は増水時に沈んでもいいように架けられているとは聞きますが、沈むばかりか流されてしまうこともあるのを初めて直接目にしました。

 

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 駅に戻って待合所を見ると、周辺の地図が貼り出されていました。

 沈下橋のことも書いてありますが、どうにもポジティブというべきか、物は言いようというべきか。あるいは、これが高知の逞しさ、というものでしょうか。

 

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 そんなことを考えているうちに、窪川行きの列車がやって来ました。

 

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 到着したのは土佐清水市のラッピング列車。

 土佐清水市足摺岬のあるところで、鉄道路線とはかなり離れていますし、将来鉄道が延びる可能性はゼロでしょう。それでも、この列車は今日も走ることのない街をアピールしています。

 そんな街を私が訪れることができるのはいつだろうか、その時にこの列車に乗ることはあるのだろうか。今はまだ知る由もない問いを残しつつ、若井駅を後にしました。