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人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、酒には酔うてみよ。

2015夏 宮城・常磐鉄道紀行(14・終)竜田駅から

 バスは長らく走ってきた国道6号線と別れ、住宅地の細い道を走っていきます。急に目の前が開けたかと思うと、竜田駅の駅舎と広場に出ました。ここが代行バスの終点です。

 

 僅かな乗客は言葉もなくバスを降りていきます。乗務員はそれを淡々と見送っていきます。

 

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  乗客を降ろしたバスは、いったん引き揚げていきました。竜田発原ノ町行の時間は20時10分、だいぶ先の話です。

 

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 竜田駅。本来なら何の変哲もない、1日に特急が何本も通過していく途中駅です。

 

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 復旧なった竜田駅。待合室には、地元の写真を展示したパネルが置かれていました。

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 駅周辺、楢葉町の将来構想。町の再建はこれからです。

 そして、長い間閉ざされた街に還り、パネルの後ろの線量計を睨みながら暮らす人々がどれだけいるのかは分かりません。

 

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 伝写の時間が近づいたので、ホームに出ます。

 普通電車が折り返すだけの駅となった今、必要なホームは1つだけ。跨線橋は閉鎖され、使われなくなった線路を塞いだ通路が架けられています。

 

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 竜田駅から原ノ町、相馬、亘理、そして仙台方面。駅で展開された線路がふたたび単線に戻ったすぐその先から、夏草で覆われています。

 

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 いわき行の電車がやって来ました。5両編成の電車は、数えるほどの乗客を乗せて、そのまま引き返していきます。

 

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 いわきに着くとほとんど乗り換えの時間はありません。10両編成の最後尾まで走り、急いで写真を撮って乗り込むと、発車メロディーがなってそのまま発車。

 4年半近くもの間封鎖された、異常な事態が日常化してしまった街から2時間も経たないうちに、多くの人々にとって当たり前、普通な日常を体現したような通勤電車に乗って、たどり着いた先でようやく投宿しました。

 

 その先の行程は、取り立てて書くこともないでしょう。既に何度も乗った路線を鈍行で進み、途中1泊して、さらに鈍行で海を渡り、山を越えて、高知まで帰りました。

 もっとも、最後は疲れ果て、途中少しだけ特急南風に乗ってしまいました。普通列車に乗り続けた身には、自由席のシートがあまりにも快適でした。

(了)