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人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、酒には酔うてみよ。

はりまや橋は橋ではない。「はりまや橋」という概念だ

 

  日本三大がっかり名所として有名なはりまや橋。ご存知の方も多いとは思いますが、あれは橋ではありません。昔は橋でしたが、下を流れる川が埋められたので、今は欄干だけ残っているのです。

 『デジタル大辞林第三版』の解説によれば、橋とは「通行のために,川や湖・谷・道路などの両側を結んでかけわたした構築物」だそうですが、川も湖も谷も道路も、さらには鉄道なども、はりまや橋の両側を隔てるものは何もないのですから、両側を結ぼうにもその「両側」が存在し得ないのです。ですから、はりまや橋は「橋」の一種ではないのです。

 ですが、発想を変えましょう。はりまや橋は「はりまや橋」という唯一無二の概念である、そう定義すればいいのです。他のどこにもない、高知だけの存在。そう考えれば、観光名所としての価値もさらに出てこようというものです。

 「えっ、川の上を渡ったよ?」とお思いの方。おそらく、渡ったのはこちらではないでしょうか。

 

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 残念、本家はこっちだ!

 

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 もっとも、赤い方も「(歩道橋の)はりまや橋」と言えなくはないのですが、昔からある本家のはりまや橋はこちらです。それに、赤い欄干の方も、下を流れているのは10数年前にできた人工水路ですし。

 そういうわけで、人工水路の上に復刻された歩道橋はさておき、本家は本来の意味の「橋」ではありません。どうです、やっぱりがっかりでしょう?

 ですが、これもまた発想を変えたいところ。ここまでがっかりできる名所って、日本で他にあるのかと。いや、世界でどれだけあるのかと。それだけのがっかり感なのですから、わざわざ来て実感する価値が逆にあるのではないかと。はりまや橋を知らずして「がっかり」を語るなかれと。

 冒頭で「日本三大がっかり名所」と書きましたが、がっかり感において残り2つがはりまや橋に比肩するとはとても言えません。札幌の時計台は確かにビル街に囲まれてしまいましたが、間違いなく時計台ですし、中に昔の資料もあるので、幸か不幸かそれなりに納得できてしまいます。一方、こちとら橋ですらないわけですから、私に言わせれば勝負になりません。残る1つに至っては、守礼門なのかオランダ坂なのか説が分かれていて決着していません。相手が土俵に上がれないのですから、はりまや橋の不戦勝です。

 そんなわけで、私はこのがっかり感は開き直って観光客誘致にアピールすべきレベルだと思ってます。インバウンド観光客誘致の切り札、世界チャンプ級のがっかり名所、だからこそ逆に来るだけの価値がある名所として、グローバルにはりまや橋の宣伝攻勢をかける手すらあるのではないでしょうか。正直、マーライオンと人魚姫の像なら互角以上に戦えると思ってます。どっちも行ったことないですが。